東京建物、オーストラリアでの新たな挑戦
東京建物株式会社が新たにオーストラリア市場に足を踏み入れる。2025年2月、同社はシドニーにて「PERIFA Capital」と「Ray White Capital」との共同で分譲住宅開発プロジェクト「Alex&Willow」の新築工事を開始する予定だ。このプロジェクトは、オーストラリアにおける慢性的な住宅不足の解決に向けた重要な一歩となる。
オーストラリアの住宅市場の現状
近年、オーストラリアの人口は米国やインドを上回るペースで増加しており、その一方で住宅需要は供給を大きく上回っている。特に、シドニーはその生活環境の魅力から人口が集中しており、住宅の不足が深刻な問題となっている。このような中、東京建物は高品質な住宅を提供することで、この社会課題の解決に貢献することを目指している。
「次世代デベロッパー」のビジョン
東京建物は、2030年を見据えた長期ビジョン「次世代デベロッパー」を掲げている。このビジョンのもと、社会課題の解決と企業の持続的成長を両立させるために、ESG経営の強化や海外事業の拡大を進めている。すでに米国やタイ、中国などで多様な開発プロジェクトを手がけており、今回のオーストラリア進出はその戦略の一環となる。
「Alex&Willow」プロジェクトの概要
シドニーのクロウズネスト地区に位置する「Alex&Willow」は、住宅25戸と商業区画3区画からなる分譲住宅開発事業です。2024年8月には「クロウズネスト」駅が開業し、シドニー中心部とのアクセスが向上することで、住宅購入者からの注目が高まっています。
本プロジェクトでは、2025年2月に着工し、2026年12月に竣工を予定している。引渡しは2027年2月を見込んでおり、住宅購入者からの期待が集まる。
需要に応える設計
近年、ダウンサイザーと呼ばれるニーズが増加している。長年住み慣れた大きな庭付きの住宅を売却し、都心のコンパクトなマンションへと移行する層が増えている。このような変化に対応する形で、本プロジェクトもダウンサイザーのニーズを重視した設計が進められる。
共同事業者の紹介
「Alex&Willow」の開発には、現地の有力パートナーとして「PERIFA Capital」と「Ray White Capital」が参加している。PERIFA Capitalはオーストラリアの建設会社「Versatile Group」の傘下で、2022年に設立された住宅デベロッパーであり、現地に施工機能を持つことが強み。高級住宅の需要拡大に対応しながら、シドニー近郊での優良案件の獲得を目指している。
一方、Ray White Capitalはオーストラリア最大の不動産仲介グループとして知られ、幅広い不動産セクターに対してプライベートエクイティやプライベートクレジットに特化した資産運用を行っている。これまでに49億豪ドルを超える投資を行っており、現在の運用資産額は10億豪ドルを超えている。
今後の展望
東京建物のオーストラリア市場への参入は、住宅開発における新たなスタンダードを打ち立てる恐れがある。今後、快適で高品質な住宅を提供することにより、 Sydney地域の住宅問題の解決に寄与し、同時に企業としての成長も目指す。現地パートナーとの連携を強化し、さらなるビジネスチャンスを創出することで、このプロジェクトが成功を収めることが期待される。
この新しいプロジェクトが、多くの人々にとって理想の住まいを提供し、オーストラリアの住宅市場に良い影響を与えることを願ってやまない。
プロジェクト概要
- - 所在地: オーストラリア・ニューサウスウェールズ州・シドニー市・クロウズネスト地区
- - 計画敷地: 約1,262㎡
- - 延床面積: 約7,382㎡
- - 総戸数: 25戸(分譲住宅)、3区画(商業)
- - 構造・規模: RC造地上5階・地下2階建
- - 販売開始: 2024年10月
- - 着工: 2025年2月
- - 竣工: 2026年12月
- - 引渡: 2027年2月予定
新たな市場に挑む東京建物の姿勢に、引き続き注目していきたい。