株式会社NovAccelが資金調達で医療用RI製造を加速
株式会社NovAccel(本社:茨城県土浦市)は、医療用ラジオアイソトープ(RI)の製造を目指し、独自の小型超伝導電子加速器「RiSA」の開発を進めています。今回、同社は日本最大級のサイエンス/テクノロジーVCファンド「UTEC6号投資事業有限責任組合」から7.2億円の資金を調達し、製造プロセスを本格化させることが発表されました。
資金調達の背景と目的
今回の資金調達により、NovAccelはRiSAのコア部材である9cell加速空洞の製作を始め、冷凍機、半導体アンプ、電子銃、レーザー装置など、製造に不可欠な部材の購入に充当する予定です。加えて、事業拡大に向けた人材採用や体制整備、医療用ラジオアイソトープの取り扱い規制への対応にもこの資金を活用する計画です。
新しい取締役の就任
今回の資金調達に伴い、UTEC6号投資事業有限責任組合から新たに取締役として郷治友孝氏、監査役としてPriyanka Soni氏が加わることになりました。この新たなガバナンス体制を通じて、NovAccelは事業の推進を加速させる方針です。
郷治友孝氏のコメント
新取締役の郷治氏は、NovAccelが高エネルギー物理学の知見を基に医療用ラジオアイソトープの製造を行うことに対する期待感を示し、放射性医薬品市場の成長に寄与することへの意気込みを語っています。
Priyanka Soni氏のコメント
新監査役のPriyanka Soni氏は、NovAccelが目指す放射線医療の急成長市場において、次世代のがん治療の基盤を支える取り組みを誇りに思っており、UTECとしてその成長をサポートすることを楽しみにしています。
RiSAとは何か
RiSA(Radio-isotope production Superconducting Accelerator)は、医療用RIの製造専用に設計された小型超伝導電子加速器です。特に、がん治療において期待されるアクチニウム225(Ac-225)の製造を目指しており、次世代の標的型放射線治療に重要な役割を果たすとされています。
RiSAの特徴
- - 専門設計: 加速能力やビーム品質を追求するのではなく、小型化と安定運転を重視した設計となっています。
- - 省エネルギー: 必要な部材を低コストで調達できるため、経済的にも持続可能な製造プロセスが実現します。
- - 画期的な技術: 4K冷却技術や2.6GHz空洞技術を採用し、画期的な小型化を達成しました。
株式会社NovAccelの理念
NovAccelは、超伝導加速技術を駆使して医療用RIの安定供給を目指すディープテック企業です。がん治療など医療分野での革新を目指し、技術力を生かした事業展開を進めます。
会社概要
- - 会社名: 株式会社NovAccel
- - 所在地: 茨城県土浦市虫掛3706-1
- - 代表者: 山下了
- - 設立年: 2024年6月
- - 事業内容: 医療用超伝導加速器の研究・開発
株式会社NovAccelは、今後も医療用ラジオアイソトープの製造を通じて、次世代の医療技術の進展に貢献していくことを目指しています。さらなる革新と成長に期待がかかります。