吉阪隆正の魅力に触れる展覧会が津山で開催
2025年10月25日から11月9日まで、岡山県津山市のPORT ART&DESIGN TSUYAMAにて、建築家吉阪隆正と彼の研究室であるU研究室をテーマにした展覧会「DISCONT・LIVE津山2025」が開催されます。この展覧会では、「私はどこにいるのか」という哲学的な問いを基に、吉阪の建築思想やデザインの成り立ちを深く掘り下げます。特に注目すべきなのは、開催初日の10月25日には、ギャラリートーク「津山で語る吉阪隆正」が予定されている点です。
吉阪隆正の多彩な経歴
吉阪隆正(1917-1980)は、単なる建築家ではなく、教育者や探検家として活躍した人物です。彼はフランスの建築家ル・コルビュジエのもとで学んだ後、帰国してからは数多くの住宅や公共建築物を手掛け、名を馳せました。具体的には、吉阪自邸や浦邸、またベネチア・ビエンナーレ日本館など、彼の作品は日本全国に点在しています。また、吉阪は建築だけに留まらず、『モデュロール』や『建築をめざして』などの翻訳も手掛け、多くの著作を残しました。
彼の幼少期は、国際労働機関設立のために家族で渡欧し、スイスで受けた平和教育が彼の思想に強い影響を与えました。吉阪は建築を通じて世界平和を実現しようとする姿勢を持ち続け、「有形学」という学問を提唱しました。
ギャラリートークの詳細
展覧会の初日には、吉阪隆正やU研究室に関連するスペシャリストたちが集まり、彼の思想や設計の背景について深く掘り下げるギャラリートークが行われます。このトークでは、吉阪の業績を知らない人にも理解しやすい内容が用意されており、建築に興味がある方はもちろん、吉阪の思想に触れたい方にとっても貴重な機会となるでしょう。
トークの出演者には、吉阪のアトリエから独立した象設計集団の富田玲子氏、北田英治氏、そして建築士の齊藤祐子氏が名を連ねています。これらの専門家が集まり、吉阪の設計理念とその実践について語り合います。
展覧会の開催概要
- - 会期: 2025年10月25日(土)~11月9日(日)
- - 会場: PORT ART&DESIGN TSUYAMA
- - 住所: 岡山県津山市川崎823
- - 参加費: 無料(事前申込不要)
この機会に、吉阪隆正の足跡を辿り、彼の考え方や作品に触れてみてはいかがでしょうか。展覧会を通じて、私たち自身の「立ち位置」を考えるヒントを得ることができるかもしれません。