環境を意識した物流の新たな道
物流業界は、環境への影響を考慮した取り組みが求められる時代に突入しています。そんな中、久留米運送株式会社とマリネックス株式会社、さらに東京九州フェリー株式会社の3社が手を組み、関東から九州間の輸送におけるモーダルシフトを実現し、2023年の「第26回物流環境大賞」で奨励賞を受賞しました。この受賞は、持続可能な物流の実現への重要な一歩を示しています。
モーダルシフトの具体的な取り組み
今回の表彰は、長距離輸送の従来の陸上ルートを見直し、東京九州フェリーが運航する「横須賀港〜新門司港」間の海上輸送に切り替えたことが評価された結果です。具体的には、久留米運送はフェリーダイヤに合わせて自社の中継網を再編成。これにより、九州全域への翌々日午前中着のリードタイムを維持しつつ、フェリー利用に切り替えられる道筋を整備しました。
尽力した結果、上り便においては有人トラックを利用することもありましたが、ドライバーの運転時間を削減することができるといった副次的な効果も上がっています。これにより、輸送効率が向上し、環境への負荷も軽減されました。
環境への配慮と成果
この取り組みにより、CO₂の排出量は年間で72%に及ぶ大幅削減が実現され、具体的な数値としては1,498トンものCO₂削減が可能となりました。物流業界において、環境保護と物流効率の両立が可能であることを示す好例です。
受賞後、代表取締役社長の村上玉樹氏は、「今後も持続可能な社会の実現に向け、引き続き環境負荷の低減に努めて参ります」とコメントしました。3社は今後も連携を密にしながら、物流の効率化と環境保全に寄与する活動を続けていく方針です。
物流環境大賞の意義
「物流環境大賞」は、一般社団法人日本物流団体連合会が創設した賞であり、物流部門において環境保全を推進し、意識の高揚を図った団体や企業を表彰しています。特に、この賞は物流分野における環境との調和が重要となる現代において、優れた取り組みを示した事業者を認知し、他の企業への良いモデルとなることを目的としています。
このような積極的な取り組みが評価され、表彰されたことで、他の企業も持続可能な物流への道を考えるきっかけとなるでしょう。物流業界全体が環境問題に真剣に取り組む姿勢を見せており、その影響は広がりを見せています。
まとめ
今回の受賞は、久留米運送、マリネックス、東京九州フェリーの3社による共同の努力の賜物です。彼らの取り組みは、環境に配慮した持続可能な物流を実現するための未来を開く重要な一歩です。今後の展開にも期待が寄せられる中、関係者たちはさらなる成果を目指し、物流業界の発展に寄与することを誓っています。