はじめに
新たに社会に飛び込む新入社員にとって、初任給はその後の生活設計に大きく影響を与える重要な要素です。2022年度の初任給に関する調査結果が発表され、興味深いデータが明らかになりました。
調査の概要
本調査は、東証プライム上場の全産業ベースで行われ、165社からの回答を基にしています。調査結果によると、初任給の改定状況においては、全学歴引き上げを行った企業が41.8%に及んでおり、前年度の17.1%から大幅に上昇しました。これは、企業側の人材確保の意識の高まりを示すものといえるでしょう。一方、全学歴を据え置いた企業は49.7%と、こちらも昨年度の74.3%から20ポイント以上の低下を見せました。
学歴別初任給水準
調査に基づいた初任給の水準は以下の通りです。
- - 大学卒(初任給一律): 21万6637円
- - 大学院卒修士: 23万4239円
- - 短大卒: 18万7044円
- - 高校卒(初任給一律): 17万5234円
学校教育を受けた分、大学院卒が最も高い額であることは明白ですが、全体的に学歴が高いほど初任給も高くなる傾向が見られます。
大学卒の初任給の上昇配分
大学卒者においては、引き上げと据え置きの割合がほぼ半々となっており、引き上げた企業の多くが1,000円台の微増を示しています。具体的には、引き上げた企業のうち、25.0%が1,000円台の上昇であることが報告され、逆に10,000円以上の引き上げは23.3%に留まっています。平均的な上昇額は5276円です。この数字からも、企業が初任給の見直しを慎重に進めている様子が見受けられます。
結論
今回の「2022年度新入社員初任給調査」によると、初任給の引き上げは一定の動きを見せているものの、全学歴の据え置きも依然として多く存在しています。今後の動向としては、企業がさらなる人材獲得競争を求めていくなかで、初任給の引き上げが進むことが期待されます。
本調査の詳細
調査の具体的な内容や数値は、一般財団法人 労務行政研究所が編集した『労政時報』第4035号(2022年5月)でも紹介されています。また、詳細なリリースについては、公式URLからPDFで確認できます。
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参考情報
一般財団法人 労務行政研究所は、1930年に設立され、人事労務に関する専門情報の提供を行っています。
所在地は東京・品川区で、公式サイトではさらなる情報が掲載されています。