伊豆大島に新たな風を吹かせるキョン専門ジビエ屋
19歳の若き猟師、河原晴馬氏が手掛ける「伊豆大島ジビエ」は、日本初のキョン専門ジビエ屋の開業を目指しています。特定外来生物でありながら、地域に深刻な影響を与えているキョンを活かし、新たな飲食文化を提案する試みが始まりました。
クラウドファンディングでの成功
プロジェクトは、クラウドファンディングプラットフォーム「CAMPFIRE」で公開され、わずか1日で目標金額の50万円を達成。その後、3日目には支援総額が100万円を超え、11月26日現在で134万円にまで達しています。この反響は、少なからず地域や食材への関心の高さを示しています。
開業に向けた資金の利用について、集まったお金は設備導入や敷地改装に充てられる予定です。具体的には、キョン肉を扱うための解体処理施設の整備などが含まれています。
キョンの問題とその解決策
そもそもキョンは非常に高い繁殖力を持っており、その結果、伊豆大島ではおおよそ18,000頭が生息しています。彼らの増加は在来植物や農業に重大な影響を及ぼし、東京都では年間約6,000頭の駆除を実施しています。しかし、駆除されたキョンは焼却処理されてしまうことがほとんどです。
河原氏は、ただ殺処分するのではなく、有効に活用することで新たな資源として再生させることを目指しています。これにより、伊豆大島が新しい食文化を持つ地域としての魅力を高め、観光客を呼び込むチャンスを生み出せると考えています。
河原晴馬氏の想い
河原氏は高校在学中に伊豆大島に移住し、2024年には通信制高校を卒業予定。今後は千葉県での猟師修行を経て、高い技術とこだわりを持ったジビエ料理を作り出すことを目指しています。今回のプロジェクトは、彼の志の一端を体現する形でもあり、多くの人にその魅力を伝える役割を担っています。
リターン内容について
クラウドファンディングの支援者には、キョンジビエがリターンとして用意されています。その中には、モモやロース、ヒレなど多岐にわたる部位が含まれており、特に50,000円のプランではキョン1頭分のジビエを手に入れることができます。また、魅力的な体験型リターンとして、伊豆大島での捕獲解体試食体験も提供されています。
未来を見据えた事業の展開
今回のプロジェクトが成功すれば、伊豆大島は特有の食文化を持つ地域として注目されるかもしれません。キョン肉が新たな名物となり、地域経済の活性化にも貢献することが期待されています。2025年1月15日までは継続的な支援を募る予定で、さらなる成長に向けた取り組みに目が離せません。
実際に味わえるキョン料理が名物となる日を楽しみに、今後の展開を見守っていきたいです。