ツインバードとPQS認証
2024-10-08 15:09:23

ツインバードのディープフリーザーPがWHOのPQS認証を取得し、医療機器としての信頼性を獲得

新潟県燕市に本社を置く株式会社ツインバードが、ワクチンを適切な温度で保管するための冷凍庫「SC-DF25P(ディープフリーザーP)」に関して、世界保健機関(WHO)が定める医療機材品質認証(Performance, Quality and Safety、以下PQS)を2024年10月に取得しました。この成功により、同冷凍庫はWHOのPQSカタログに掲載され、今後は各国が医療機器を選ぶ際の基準となることが期待されます。

特に、日本初となるワクチン冷凍庫としてのPQS認証取得は、国内全体を通じても3例目の快挙であり、国内外のワクチン接種にとって非常に重要な一歩となります。

ワクチンと社会的意義


ワクチンは単なる感染症予防策に留まらず、重症化の防止や集団免疫の向上に寄与する重要な手段です。UNICEFの「世界子供白書2023」によれば、ワクチンの普及により、1990年には年間1,250万人が亡くなった5歳未満児の死亡数が2021年には500万人に減少したとされています。しかし、特に途上国においては、ワクチンの管理や運搬の体系が整備されておらず、それが接種率の低さにつながっています。

ツインバードは、FPSC(フリー・ピストン・スターリング・クーラー)冷凍技術を搭載した冷凍庫を通じて、この課題に取り組んでいます。2021年にPQS認証取得の準備を開始しましたが、それには二つの大きな実績があります。

国内外での実績—信頼の証


1つ目は、2021年に新型コロナウイルス対応のために、低温でのワクチン運搬が可能な「SC-DF25WL」を厚生労働省や武田薬品工業に12,000台以上納入した実績です。この製品が多くの自治体や企業で使用され、信頼性が高まったことにより、PQS認証への道が開かれました。

次に、外務省と国際協力機構が行う「ラスト・ワン・マイル支援」への参加を通じて、東ティモール、モザンビーク、セネガル、モンゴル、パレスチナなどへのワクチン運搬庫の供給を行ってきました。これらの取り組みが、WHOを始めとする国際機関との連携を強化し、途上国における冷蔵・冷凍技術の普及に貢献していくことが期待されています。

PQS認証の意義


WHOによるPQS認証は、医療機器の選定基準として広く受け入れられています。この認証を受けた医療機材は、UNICEFなどの国際機関やNGOによって使用されるため、その品質と信頼性が重要視されます。今回の認証取得により、ツインバードの製品は国際的な基準に適合していることが証明されたのです。

環境への配慮


また、ツインバードの冷凍庫は環境にも配慮されており、使用する冷媒にはヘリウムガスを採用。省エネルギー・低発熱設計により、温暖化対策にも寄与しています。これに加えて、スターリング冷凍機は小型でありながら高い冷却能力を持ち、厳密な温度制御が可能です。この技術は、品質管理の面で優れた特性を示します。

グローバル展開の目指すべき未来


今後、ツインバードはFPSC技術を医療、バイオ、化学、食品などの分野で展開し、特に注力する分野として医薬・バイオを挙げています。こちらは年率9.6%で成長を続ける分野であり、厳密な温度管理が求められます。ワクチン以外にも、バイオ医薬品の搬送や保管に関するニーズに応えることで、グローバルコールドチェーン市場での確固たる地位を築いていきたい考えです。

さらに、PQS認証を得たことで、UNICEFやその他の国際機関に認知され、海外販売の展開も容易になりました。「VISION 2030」の実現に向け、ツインバードは世界の人々の健康と持続可能な社会の実現に向けた取り組みを推進していきます。


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会社情報

会社名
株式会社ツインバード
住所
新潟県燕市吉田西太田2084-2
電話番号
0256-92-6111

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