宇宙輸送の未来をつくる次世代型宇宙港
宇宙開発が進展する中、高頻度での宇宙輸送サービスが求められています。そんな中、株式会社日本総合研究所(以下、日本総研)は、宇宙輸送の新たな拠点である次世代型宇宙港(New Space Port、以下NSP)の実現に向けたワーキンググループに参加することを発表しました。今回は、このプロジェクトの背景や目的、そして日本総研の役割について詳しくご紹介します。
次世代型宇宙港とは?
NSPは、宇宙輸送のための新しい拠点を構築することを目指したプロジェクトです。宇宙開発の拡大に伴い、宇宙空間の利用は様々な産業や生活の効率化、経済発展といった視点からも重要視されています。この状況を受け、将来の宇宙輸送システムを見据えたISC(宇宙輸送システム株式会社)が中心となり、多様な企業や大学と共に次世代型宇宙港ワーキンググループが設立されました。
日本総研は、事業戦略やビジネスモデルに関する知見を持ち寄り、宇宙利用の推進に寄与することを目指しています。
NSPが描く新しい宇宙輸送モデル
NSPの特徴は、陸上にとどまらず洋上にも宇宙港を設けるという新しいコンセプトです。これにより、宇宙輸送の効率性が向上し、利用者にとっても利便性が増すことが期待されます。具体的には、ロケットの打ち上げや着陸はもちろん、観光客や商業利用者を対象とした施設を併設する計画が立てられています。例えば、モールやエンタメ施設、さらには災害対策施設まで、幅広い目的に応じた利用が可能となるでしょう。
このような構想を実現するためには、地域との連携が不可欠です。地上側の接続インフラや受け入れ拠点となる港湾との連携を考慮しつつ、まちづくりの視点でものづくりを進めていく必要があります。
ワーキンググループの活動内容
NSP-WGは、2025年までの有期グループであり、現在は17社と1大学が参加しています。ワーキンググループの目標は、加盟企業および大学が協力して方向性を定め、次世代型宇宙港の実現性を評価することです。最終的には、宇宙港の建設プロジェクトを立ち上げるための基盤となる成果物を作成する予定です。
ISCの役割
ISCは、「毎日、人や貨物が届けられる世界。そんな当たり前を、宇宙でも」というビジョンを掲げ、民間ロケットの開発に取り組んでいるスタートアップ企業です。2030年代を目途にこのプロジェクトから得た知見を基に、高頻度宇宙輸送を実現する計画を進めています。
日本総研の未来への貢献
今後、日本総研はNSP-WGを通じて、宇宙輸送に関する事業戦略やビジネスモデルの提案を行い、宇宙ビジネスの発展に貢献していく予定です。宇宙輸送の発展には、技術革新だけでなく、地域社会との連携や新しい経済圏の形成が重要です。日本総研は、その中心となって未来の宇宙利用社会を築いていく意気込みを持っています。
このように、「次世代型宇宙港」は未来の宇宙輸送サービスの実現に向けた重要なステップとなるでしょう。今後の動向に注目が集まります。