フェンディ協賛!ボルゲーゼ美術館でルイーズ・ブルジョワ展開催 - 無意識の記憶を巡る芸術の旅
イタリア・ローマを代表するラグジュアリーブランド、フェンディが協賛する「ルイーズ・ブルジョワ:アンコンシャス・メモリーズ」展が、2024年6月21日から9月15日まで、ボルゲーゼ美術館で開催されます。
本展は、ボルゲーゼ美術館で初めて女性現代アーティストに焦点を当てた展覧会として、20世紀を代表する彫刻家の一人であるルイーズ・ブルジョワの多岐にわたる作品を展示します。約20点の彫刻作品は、美術館の各部屋、飼鳥園、メリディアーナ庭園に配置され、ブルジョワが1967年にローマを訪れた際に魅了された場所を巡る旅を表現しています。
ブルジョワは、自身の個人的な記憶と、美術館という公共の空間が持つ集合的な記憶を作品に織り込み、人間の変容、記憶、感情、心理状態といった普遍的なテーマを探求しています。彼女の作品は、ボルゲーゼ美術館のコレクションと対話しながら、現代的な視点から人間の経験を見つめ直し、新たな解釈を提示します。
ブルジョワの芸術とボルゲーゼ美術館との深いつながり
ブルジョワとイタリア、そしてボルゲーゼ・コレクションとの関係は深く、彼女の芸術活動に大きな影響を与えてきました。彼女は、1930年代後半にパリで美術史を学び、1960年代にはイタリアの工房でブロンズや大理石の作品を制作しました。その後もイタリアを訪れ、1980年代にはさらに数点の彫刻作品を制作しています。
ブルジョワの作品は、彼女の個人的な経験、記憶、無意識、そして感情を反映した、複雑で多層的な世界観を示しています。彼女が探求したテーマは、ボルゲーゼ美術館のコレクションに共鳴し、古代と現代の芸術の対話を通じて、人間の経験に対する新たな理解を提供します。
展示内容:記憶、変容、そして心理状態を巡る旅
本展では、ブルジョワの代表作である「Cells」シリーズをはじめ、さまざまな彫刻作品が展示されます。
「Cells」: 個人的な記憶、欲望、建築、五感をテーマに、拾得物や彫刻を収めた部屋のような空間を創り出すことで、過去と現在を融合させています。
「Janus Fleuri」: 過去と未来を同時に見据えるローマ神ヤヌスをモチーフに、変容と始まりを象徴する作品です。
「Topiary」: 若い娘の成長と発達を表現し、自然で個人的な変化を体現しています。
「Passage Dangereux」: 一人の少女が成熟した女性になる過程を表現した、ブルジョワの「Cells」シリーズの中で最大規模の作品です。
「The Last Climb」: 螺旋モチーフを用い、人生の終わりなきサイクルと旅のメタファーを表現しています。
「XX Portrait」: 感情の肖像画を通じて、人間の心理に深く迫ります。
「The Welcoming Hands」: ブルジョワ自身の手と、彼女の親友であるジェリー・ゴロヴォイの手を組み合わせ、依存、親密さ、保護を表現しています。
「Spider」: ブルジョワの母親を象徴する巨大なブロンズ像です。
「Jambes Enlacées」: パオリーナ・ボルゲーゼの彫刻にインスピレーションを受けた、繊細な脚を表現した作品です。
布製の頭部シリーズ: 古代ローマの皇帝像と対比されることで、現代的な視点から人間の存在を問いかけます。
ボルゲーゼ美術館とルイーズ・ブルジョワ - 記憶と無意識の交錯
本展は、「ルイーズ・ブルジョワ:アンコンシャス・メモリーズ」というタイトルの通り、ブルジョワの芸術における無意識と記憶という重要な側面に焦点を当てています。ボルゲーゼ美術館は、創設者スキピオーネ・ボルゲーゼの記憶を保存し、彼の収集した傑作を通して、美術館の歴史と美術史を語り継いでいます。ブルジョワは、自身の記憶と無意識を作品に表現することで、鑑賞者に個人的な記憶と集団的な記憶の複雑な関係を考えさせます。
ボルゲーゼ美術館のディレクター、フランチェスカ・カッペレッティは、「個々の作品は、創作者やその生涯の記憶、そして時には隠された肖像までも保存しています。一方、ブルジョワは、自らを隠すのではなく可能な限りさらけ出し、自分の無意識、語ることが難しい感情のレベルさえも伝えようとしているのです。」と語っています。
ボルゲーゼ美術館における現代アートの新たな解釈
本展は、古代と現代の芸術の対話を通して、ボルゲーゼ美術館における現代アートの新たな解釈を提示します。ボルゲーゼ美術館は、スキピオーネ・ボルゲーゼが収集した個人的な所有物の宝箱であり、常に更新されるべき遺産を守る場所です。現代アートのインスタレーションは、ボルゲーゼ美術館の伝統を継承しながら、新たな視点と解釈を提供することで、美術史における新たな章を開きます。
「ルイーズ・ブルジョワ:アンコンシャス・メモリーズ」展概要
会場: ボルゲーゼ美術館 (Galleria Borghese)
住所: Piazzale Scipione Borghese, 5, 00197 Rome, Italy
開催期間: 2024年6月21日 (金) ~ 9月15日 (日)
営業日時: 午前9時~午後7時 (休館: 毎週月曜日)
ルイーズ・ブルジョワ展:深淵を覗く、記憶と無意識の旅
ボルゲーゼ美術館で開催される「ルイーズ・ブルジョワ:アンコンシャス・メモリーズ」展は、20世紀を代表する彫刻家、ルイーズ・ブルジョワの芸術世界を深く理解する貴重な機会です。フェンディが協賛する本展は、ブルジョワの彫刻作品を通じて、記憶、変容、心理状態といった普遍的なテーマを探求することで、人間の存在と心の深淵に迫ります。
ブルジョワの作品は、個人的な記憶と集団的な記憶が複雑に絡み合い、見る者に強い印象を与えます。特に、彼女自身の経験や感情を反映した「Cells」シリーズは、部屋のような空間の中に、拾得物や彫刻を配置することで、ブルジョワの心の内面を直接的に表現しています。このシリーズは、ブルジョワが自分の過去と向き合い、心の奥底にある記憶や感情と対峙しようとした証であり、見る者に深い共感と感動を与えます。
展覧会は、ブルジョワの作品がボルゲーゼ美術館のコレクションと対話することで、古代と現代の芸術の融合を促しています。ブルジョワの彫刻は、ボルゲーゼ美術館の歴史と美術史を新たな視点から見直し、過去と現在のつながりを示しています。
本展は、ブルジョワの作品を通して、人間の存在の複雑さと深淵を改めて認識させてくれます。記憶、感情、無意識といった、言葉では語り尽くせない心の奥底を、ブルジョワは彫刻という表現形式を通して、鮮やかに、そして深く表現しています。彼女の作品は、鑑賞者に自身の記憶や感情を深く見つめ直し、人間の心の奥底を探求する旅へと誘います。
また、本展では、ボルゲーゼ美術館の歴史と、ブルジョワの芸術活動との関係性が明らかになり、彼女の作品が持つ深みと複雑さをより深く理解することができます。フェンディが協賛することで、より多くの人がブルジョワの芸術に触れる機会が得られることを願います。
「ルイーズ・ブルジョワ:アンコンシャス・メモリーズ」展は、記憶と無意識の深淵を旅する、忘れられない芸術体験となるでしょう。