シミックバイオとKrisan Biotech、ADC製造支援で提携
シミックバイオ株式会社(CBI)は、台湾のKrisan Biotech(KB社)と業務提携の覚書を結びました。この提携の目的は、抗体薬物複合体(ADC)の製造支援サービスを日本国内の顧客に提供することです。
ADCとは
ADCは、特定の病変細胞に対して効果的に作用するために、抗体と薬剤を結びつけたバイオ医薬品です。この技術により、健康な細胞への影響を最小限に抑えて、治療効果を高めることが可能です。しかし、その開発には高度な技術を要し、特にアジア地域では製造環境が整っていないのが現状です。
提携の背景
近年、がん治療のニーズが高まり、ADCの開発も活発化しています。しかし、毒性が高いADCは、専門的な施設と技術が求められ、その製造は簡単ではありません。シミックバイオとKrisan Biotechは、双方の技術力を結集し、アジアにおいて日本のお客様にとって利用しやすい製造支援サービスを提供しようとしています。
業務提携の内容
この業務提携に基づき、CBIは日本国内で医薬品製造施設を利用して抗体を製造し、KB社がその抗体にリンカーやペイロードを付加してADCを構築する工程を担当します。これにより、顧客は一括してADCの製造支援を受けることができ、効率的に新薬の開発を進めることが可能になります。
それぞれの企業の役割
- - CBI: CBIは日本国内において医薬品製造のインフラを提供し、抗体の製造を担当します。
- - KB社: CBIが製造した抗体を基に、ADCに必要な化学的な加工を行い、完成品を提供します。
シミックバイオの取り組み
シミックバイオは、GMPに対応したシングルユース設備を持ち、動物細胞用の原薬製造やプロセス開発を行っています。顧客とのコミュニケーションを重視し、納得のいく製品を提供するための伴走型支援をしています。今後も新たなニーズに応えるべく、業務提携を拡充していく方針です。
Krisan Biotechについて
Krisan Biotechは、2015年に設立され、柔軟で効果的な医薬品開発および製造を提供する企業です。ADCや小分子、ペプチド、タンパク質薬物複合体などの専門知識を持ち、製薬開発市場でその地位を築いてきました。20年以上の経験を有し、複雑な製品を適切に取り扱うノウハウを活かしています。
まとめ
シミックバイオとKrisan Biotechの業務提携は、日本国内におけるADCの製造環境を向上させることが期待されています。この提携により、がん治療における新たな選択肢が広がることが期待されており、今後の展開に注目です。