東京都千代田区に本社を構える株式会社エナリスが、環境省が展開する「J-クレジット制度」におけるMRV支援システムの運営事業者に採択されたことを発表しました。このシステムは、太陽光発電設備の導入を通じて行われる温室効果ガスの排出削減活動を支援するもので、2025年度からの運用開始を目指しています。
J-クレジット制度は、環境省、経済産業省、農林水産省、及び林野庁の協力の下、温室効果ガス排出の削減量やCO2の吸収量を「クレジット」として認証する仕組みです。この制度では、省エネ設備や再生可能エネルギーの導入に基づく排出削減や吸収に関する詳細な算定及びモニタリング方法が規定されており、2023年10月に開設されたカーボンクレジット市場で取引可能な信頼性高いカーボンクレジットとなっています。
しかし、制度の利用には手続きに手間がかかり、特に人手の不足している中小企業や一般家庭にとっては参加が難しい状況です。このため、実際にクレジットを創出する際は、いくつかのステップを経なければなりません。ステップの一部として、排出削減や吸収の計画作成、モニタリングの実施、そして報告書の作成と送付が含まれます。これらのプロセスが煩雑であるため、利用の拡大が阻まれています。
エナリスでは、こうした課題を解決するために、ブロックチェーンを活用したデジタル化を検討中です。今年度は太陽光発電による排出削減活動の業務効率化を支援する「MRV支援システム」の設計と実証を行いました。このシステムは、太陽光発電設備(PV)の自家消費データをブロックチェーンプラットフォームで記録し、次のステップへと進める要素をシステム化しています。
今後は、国のJ-クレジット登録簿システムとの連携を図りながら、業務の効率化と必要な期間短縮を実現するため、改修を重ねる予定です。これにより、プロジェクト参加者にはよりスムーズなクレジット化の道が開かれます。また、エナリス独自の「PV価値創出プロジェクト」を通じて、法人や家庭が簡易的にPV自家消費に関連するJ-クレジットの取得が可能となります。
株式会社エナリスは、この取り組みを通じてJ-クレジットの普及を促進し、再生可能エネルギーの価値拡大に寄与することを目指しています。最終的には、カーボンニュートラルの実現に向けた重要な貢献が期待されます。さらに情報を得たい方は、エナリスの公式ウェブサイトやプレスリリースをご覧ください。