クアンド、南都技研を完全子会社化
ITスタートアップであるクアンドが、宮崎県に本拠を置く南都技研を完全に子会社化しました。この動きは、地方建設業の革新に向けた重要な一歩とされています。クアンドは、福岡県北九州市に本社を構え、現場特化型ビデオ通話アプリ「SynQ Remote(シンクリモート)」を開発・提供している企業です。
新しい建設業モデルの実現
クアンドは、DX技術を活かして産業全体のトランスフォーメーション、すなわち「IX(インダストリートランスフォーメーション)」を推進しています。九州から生まれる新たな建設業のモデルは、特に人手不足が深刻な現状を背景にしています。南都技研との連携により、技術承継や生産性の向上を目指し、地方建設業の持続可能な未来を切り開くことが期待されています。
クアンドが提供する「シンクリモート」
「シンクリモート」は、建設現場の効率化を図るために開発された革新的なDXツールです。今後、南都技研をモデルにしたM&A事業が全国に広がる見込みです。各拠点をシンクリモートで繋ぐことで、「誰もが、どこからでも働ける」という新たな働き方の実現を目指します。これにより、特に高齢者や妊娠中の女性といった、今まで建設業での就業が難しかった方々にも新たな雇用機会が生まれることが期待されています。
都城市での成功事例
宮崎県都城市では、2021年から約4年間にわたりシンクリモートが国土交通省の遠隔臨場政策に利用され、効率的な業務運営を実現してきました。この地域での具体的な利用例には、公共工事の材料確認や文化財発掘現場の確認が挙げられています。この実績を素に、クアンドはさらなる支援を地方自治体に広げる計画です。
両社の代表者コメント
クアンドのCEO、下岡純一郎氏は、「南都技研が持つ信頼性と実績は、新たな建設業の形を生み出す力を秘めている」とコメント。また、南都技研の代表、多田佳充氏は、「クアンドとの協業が、新たな働き方を生み出す第一歩となることを期待している」との意気込みを語っています。
結論
クアンドによる南都技研の子会社化は、地域に根ざした建設業の変革を目指した重要な取り組みです。両社の協力により、持続可能な地域産業が実現することが期待されます。今後の展開に注目です。