HAE国際会議「HAEi地域会議APACマニラ」の概要
2025年3月7日から9日の間、フィリピンのマニラにて、遺伝性血管性浮腫(HAE)に関する国際会議「HAEi地域会議APACマニラ」が開催されました。この会議には、25の国・地域から約300名が参加し、日本からはNPO法人HAEJのメンバー6名が参加しました。会議の主な目的は、アジア・太平洋地域のHAE治療環境の改善についての意見交換と国際交流の促進です。
会議の主な内容
HAEJの代表理事である松山真樹子は、パネルディスカッションに登壇し、HAE患者を持つ親として、学校や社会に対する理解促進の重要性について発言しました。このディスカッションでは、アジアのHAE患者会と医療機関との連携の重要性が示され、HAEに対する誤解や偏見を解消する必要性についても議論されました。
また、HAE専門医である秀道広先生は、アジア・太平洋地域のHAE患者が直面している問題を指摘しました。特に、診断が遅れることや治療のアクセスの難しさ、専門医の不足が課題となっており、日本はHAE治療の先進国であるものの、共通する問題が存在すると述べました。このような背景から、アジア各国が協力し、共同で研究や治療の改善に向けた取り組みを行うことが求められています。
不足する理解と社会的偏見
会議では、HAE患者に対する社会的理解の不足が問題視されました。HAEに対する偏見や誤解が、患者の診断や治療に悪影響を及ぼすことが指摘され、患者会がこれに立ち向かう必要性が強調されました。また、教育を通じて周囲に病気について知ってもらうことの重要性も訴えられました。
韓国から参加したHAE患者のイン・ギョンさんは、自身の経験をもとに、病気を隠したり罪悪感を持たずに周囲と協力することが大切だと訴えました。彼女は、自身のパートナーが一緒に学んでくれた経験から、理解を深めることの重要性を実感したと語りました。
まとめと今後の展望
HAE国際会議「HAEi地域会議APACマニラ」では、アジア太平洋地域におけるHAE治療環境の改善に向けて、多くの意見が交わされました。会議を通じて、アジア地域の患者会が果たす役割の重要性と、国際的な連携によって治療環境の向上に向けたアプローチが共通の課題であることが確認されました。最低でも三つのポイントとして、耐え難い病気の理解の向上、交流の促進、そして教育を通じた偏見の解消が挙げられます。これからも致命的な 欠陥が生じないように、日本国内での経験をアジア全体に分け与えることが期待されます。NPO法人HAEJは今後もこのような国際会議を通じて、有意義な交流の場を提供し続けていきます。私たち患者会は、引き続きHAEの患者さんとその家族のために活動していく決意を新たにしています。
詳しくは、NPO法人HAEJの公式ウェブサイト(https://haej.org/)をご覧ください。