おやつ時間が育む子どもたちの絆と感性の研究結果
最近、森永製菓株式会社が行った研究が、大きな注目を集めています。この研究は、保育現場でのおやつが子どもたちの共食の場をいかに楽しませ、豊かにするかを探ったものです。特に、「おっとっと」や「森永ホットケーキミックス」を使用し、おやつの共有体験が持つ意味を解明しました。この研究の結果は、「第18回キッズデザイン賞」の《子どもたちの創造性と未来を拓くデザイン部門》において受賞されることとなりました。
研究の背景と目的
「食」は、単なる栄養の摂取にとどまらず、共に食べることで基本的な食習慣を育み、人間関係を築く重要な役割を果たします。今回の研究では、保育現場のおやつの時間に着目し、子どもたちの自然な食行動や仲間とのやりとりにフォーカスしました。これまで、大人たちは生理的機能の確保ばかりに重きを置いていましたが、子どもたちがどのようにおやつを通してコミュニケーションを取っているかに関しては、あまり研究が進んでいなかったのです。
この研究の目的は、保育の中でのおやつ時間における子どもたちの行動とやりとりを観察し、おやつの楽しさと共食の場の特徴を明らかにすることでした。
研究手法
研究は、3つの保育施設で実施され、2歳、3歳、5歳のクラスから子どもたちと保育者が参加しました。観察の対象となったおやつは、普段のおやつ(おにぎりやせんべい)、立体的な形のお菓子(おっとっと)、調理工程を体験できる菓子(森永ホットケーキミックス)でした。それぞれの場面で、テーブルにカメラとボイスレコーダーを設置し、映像と音声を記録。おやつを喫食した後には、子どもたちと保育者に感想をヒアリングし、やりとりのデータを分析しました。
分析の結果
研究の結果、各おやつ場面における子どもたちのやりとりには大きな違いが見受けられました。まず、普段のおやつの場面では、子どもたちの発話数は少なく、安定した安心感が感じられました。一方、「おっとっと」では、その多様な形と持ち運べる便利さから活発なやりとりが生まれ、子どもたちは自発的に創造的なやりとりを行いました。そして、ホットケーキの調理プロセスでは、子どもたちは仲間たちと共に作業をしながら多くの気づきを得ていました。これは、単なるおやつの摂取を越え、彼らの社会的な交流を促進するものでした。
今後の取り組み
今回の研究成果は、食育と社会的機能の両方において、おやつが持つ重要性を明らかにしました。特に、「おっとっと」や「ホットケーキ」のような特別感のあるおやつが、子どもたちにとって五感を刺激し、楽しさや心の満足をもたらす様子が観察されました。
今後は、食行動において健康の重視はもちろんですが、社会文化的側面も考慮した研究を進めていく必要があります。おやつを介して育まれるコミュニケーションの価値をさらに探求し、保育現場での取り組みに役立てていくことが求められています。
研究に対する専門家の見解
玉川大学の大豆生田啓友教授や岩田恵子教授は、今回の研究を通じて、保育の場におけるおやつ時間によって、子どもたちの心と身体、そして環境の幅広いウェルビーイングが促進される可能性を示唆しています。特に、心を動かす「おやつ」の場は、単なる食べる行為を超えた深い体験であることが認識されています。このような観察研究は、今後、保育現場における食育の在り方を考える上での新たな視点を提供するものとなるでしょう。
そうした観点からも、森永製菓の取り組みは、今後ますます注目されることとなるでしょう。