Cellidが渋谷区とARグラスによる新たな作業支援の実証実験を開始

Cellidと渋谷区がARグラスで実現する新たな作業支援

Cellid株式会社は、東京を拠点に次世代デバイスとしてのARグラスを開発する企業です。彼らは、最近渋谷区と協働し、ARグラスを用いた遠隔作業支援の実証実験を行いました。このプロジェクトは、世界的な社会課題解決を目指す「キングサーモンプロジェクト」の一環として位置づけられています。

渋谷区との共同実験の概要

この実証実験では、工事現場における作業の効率化と人手不足の解消を目的としています。特に建設業界では、技能継承や作業効率の向上が求められており、ARグラスの導入がその改善策の一つとして期待されています。

実施場所は、渋谷区内の公共施設や工事現場で、全5回、4つの現場で試みられました。作業内容は、ARグラスを用いた遠隔での補修箇所の確認や内装仕上がりのチェック、指示伝達などです。ARグラスには、発注資材明細をリアルタイムで表示し、作業効率を大幅に向上させるツールとしての役割が期待されていました。

実証実験の成果

実験に参加したベテラン職員は、現場に直接赴かずとも、ARグラスを着用した作業員とリアルタイムでコミュニケーションや状況確認を行うことができました。これにより、従来必要だったタブレットやPC、カメラなどの携帯が不要となり、作業員は両手を自由に使うことができるようになりました。

具体的には、作業者はARグラスを通じて現場の状況を確認し、必要な情報を迅速に伝達することができました。これにより、移動時間は最大1.4時間の短縮が見込まれ、年間で425時間から638時間の削減が期待されています。ARグラスによる目線位置の一致も、確認作業の効率を向上させる要因とされ、業務効率全体に大きな影響を与えました。

ARグラスの性能と今後の展望

Cellidは、独自に開発したウェイブガイド技術を用いて、軽量かつ薄型のARグラスを提供しています。この技術により、従来のメガネと同等の薄さと軽さを保ちながら、鮮やかなフルカラー表現が可能です。今後、ARグラスのさらなる普及と、他業種での活用が期待されています。

Cellidの代表取締役CEOである白神賢氏は、「実証実験での成果を活かし、今後もさらなる業務支援につながるソリューションを開発していく」と強調します。また、ARグラスの技術は、国内外問わず多くの企業やパートナーから注目を集めており、これを機にグローバル展開の道も模索しています。

キングサーモンプロジェクトとは

「キングサーモンプロジェクト」は、東京都が進める先端事業と都政課題のマッチングを目指す支援策です。新たなビジネスモデルの構築や市場展開を応援し、東京から革新的なスタートアップを育成することを目的としています。Cellidがこのプロジェクトに参加することで、より多くの人々にAR技術の利点を届けることが期待されています。

今後もCellidは、ARグラス関連の研究開発を継続し、さまざまな業種での作業支援の実現を目指しています。新たな技術による作業環境の変革に、今後も目が離せません。

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