AIMの新たな一歩
2025年8月19日、台湾の台北でAI医療ソリューションを手がけるスタートアップ企業「Alpha Intelligence Manifolds, Inc.(AIM)」が、Pre-Aラウンドで新台湾ドル1億2,500万元(約6億円)の資金調達を成功させたと発表しました。この資金調達は、米国のWI Harper Groupと台湾のBE Health Venturesが主導し、Cathay Venture Inc.とSustainable Impact Capitalも参加したことで、多様な投資家の関心を集めました。
資金の使途
調達した資金は、主力製品であるAI画像解析ソリューション「DeepXray™」や「DeepSono™」に対する医療機器の承認取得、特許戦略、市場開拓、さらには次世代技術の研究開発に注力するために使用される予定です。特に、米国や日本、東南アジア、中国での承認取得が重要課題とされています。
日本市場への進出
AIMの製品が日本での薬事認証を取得する予定があり、その第一歩として「DeepXray Bone Viewer」(認証番号: 307AGBZI00004000)が2025年に日本国内での医療機器認証を取得します。この認証により、AIMは日本市場に本格的に進出できるようになり、国際マーケットでの成長を図る重要な拠点を得ることになります。
さらに、同年4月にはパシフィコ横浜で開催される医用画像展示会「ITEM2025」にも出展し、コニカミノルタとの共同展示を実施予定です。このイベントは、医療技術の発展に関心のある多くの業界関係者が集まる場となります。
高い技術力が評価される
AIMのAI骨粗鬆症診断ソリューション「DeepXray™ Spina, Coxa」は、台湾での承認を受けており、関連雑誌「Rad Fan Plus」では「エキスパートが選ぶITEM of the Year 2025」において医療機器部門で第2位を受賞しました。この受賞は、AIMの技術力が高く評価された証と言えるでしょう。
投資家の声
WI Harper Groupのシニアパートナー、彭適辰(Sean Peng)氏は、AIMの国際市場での成長ポテンシャルに大いに期待を寄せており、北米・欧州・アジアのネットワークを駆使してAIMの事業化を支援する意向を示しました。また、BE Health Venturesの執行パートナー、陳彥諭(Arthur Chen)氏は、台湾の双和病院での臨床実績を基にした商業化の可能性を指摘し、日本市場での進展に希望を持っています。
今後の展開
AIMは、2025年10月8日から10日にかけて開催されるJapan Healthcare Venture Summit(JHVS 2025)にも出展し、さらに技術アピールを図る予定です。また、米国FDAや日本薬機法、中国のNMPAへの申請も計画しており、アジア太平洋地域におけるスマートヘルスケアのリーディングブランドとしての地位を目指します。
最終的に、AIMのビジョンは「全員が質の高い医療にアクセスできる社会を実現する」こと。本投資を通じ、国際的な舞台でのさらなる成功を期待しています。