CLIP STUDIO PAINTの新たな原稿形式リニューアル
イラストやマンガ、アニメーション制作に対応したアプリ「CLIP STUDIO PAINT」は、集英社との協力により、商業用の原稿形式を刷新しました。これにより、集英社全体の雑誌で共通に使用できる原稿用紙が新たに設定され、より効率的なマンガ制作が可能になりました。具体的には、「集英社マンガ誌汎用」という新しいプリセットが導入され、少年誌、少女誌、青年誌の全てに対応しています。これにより、作家や印刷関係者の手間が大幅に軽減されることが期待されています。
商業マンガ出版の現場では、これまで各雑誌ごとに枠サイズや位置を調整する必要があり、作品の印刷範囲を考慮することがストレスとなる要因でした。しかし、今回のリニューアルによって、全雑誌で共通の原稿用紙設定が実現したことで、印刷データの入力が容易になり、作業効率が向上します。
新たに提供される原稿用紙設定は、「集英社マンガ誌汎用(少年誌・少女紙・青年誌共通/新書・B6判単行本化)」として、CLIP STUDIO PAINT EX Ver.4.0から利用可能です。この新形式では、デジタルマンガ制作時に判型やレーベルの変更があっても、文字や重要な要素が切れるリスクが減少するとされています。
デジタル環境の進化に向けた協力
セルシスは、2018年から集英社との協力を深め、デジタル入稿の支援を進めてきました。この協力においては、判型の変更に伴っても裁ち落としされない領域を示す「セーフライン」機能の導入や、オンラインによる作品の入稿システムの提供など、多岐にわたる取り組みが行われています。
集英社とセルシスの共同努力は、よりスムーズにマンガの出版や配信を進めるための形をとっています。また、CLIP STUDIO PAINTは、4000万人以上のユーザーに利用されており、幅広いデバイスでの対応が魅力です。特に、マンガ家やイラストレーターだけでなく、あらゆるクリエイターに支持されています。
今後も、デジタル環境におけるマンガ制作の利便性向上に向けて、両社は協力を進めていくとしています。マンガ制作をスムーズに行える環境を整えることは、クリエイターの活動を支援し、新たな作品が生まれる土壌を作るための大切なステップです。これからも、CLIP STUDIO PAINTはクリエイティブな世界を広げ、マンガやアートの未来を支えていく姿勢を見せています。