デジタルアーツコンサルティングとNozomi Networksの提携
2023年4月13日、デジタルアーツコンサルティングがOT(オペレーショナルテクノロジー)/IoT向けのセキュリティソリューションを提供するNozomi Networks社とのディストリビュータ契約を締結しました。この提携により、デジタルアーツはNozomi Networksの製品を用いたOT SOC(セキュリティオペレーションセンター)を新たに提供することになります。これにより、工場やプラント内のOT/IoT機器のセキュリティを強化し、可視化と脅威の検知を実現します。
OTセキュリティの現状
サイバー攻撃の脅威は、従来のITセキュリティだけでは対応しきれない状況にあります。特に、工場やプラント内のOT/IoT機器に対する攻撃が増加しており、これを防ぐためには専用のアプローチが求められています。Nozomi Networksが提供する「Guardian」、「Vantage」、「Arc」といった製品は、こうしたニーズに応えるための重要なツールとなります。
- - Guardian: この製品は、OT/IoTネットワークの可視化とセキュリティを兼ね備えています。特に各種プロトコルを理解することで、詳細なアセット管理や脆弱性アセスメントを行い、AIと機械学習を活用したハイブリッド脅威検知機能を通じて、未知の脅威をも検知する能力を持っています。
- - Vantage: クラウド型プラットフォームであり、OTの運用を支援します。これにより、リモートからもセキュリティのさまざまな状況を把握できるため、企業の対応力がさらに向上します。
- - Arc: エンドポイントセンサーとして機能し、個別のデバイスを監視し、脆弱性を把握します。
提供サービスと期待される効果
デジタルアーツコンサルティングは、以前から役務サービスを通じて多くの顧客に支援を行ってきましたが、近年のOT/IoT市場におけるセキュリティの必要性が高まっています。この背景を受け、Nozomi Networksのソリューションを通じて、販売から運用までをトータルでサポートする新しいサービスモデルを構築しました。これにより、顧客が直面する課題を解決するための柔軟な支援を提供することができます。
顧客が抱える具体的な課題としては、以下の点が挙げられます。
- - 既知および新規の脆弱性が把握できない
- - 異常が発生した際の検知ができない仕組み
- - 脆弱性・異常検知に対する対応体制が不足している
デジタルアーツは、これらの課題に対し、マネージドサービスを通じてアラートの検知やトリアージを行い、運用コストの削減と安心感を提供します。また、OT SOCでは「Guardian」の運用だけでなく、VantageやArcを用いた運用支援までカバーします。
具体的な支援内容
提供されるOT SOCサービスの具体例としては、以下が挙げられます。
1.
可視化支援: 工場内のOT/IoT機器の一覧化やマッピングを行い、脆弱性の可視化を支援します。
2.
異常検知と対応: 不正な端末の接続や異常な通信の検出など、リアルタイムでの異常管理を実現します。
3.
24時間体制のサポート: 社内で専属のセキュリティ担当者を抱えることなく、専門知識を持つSOCチームが常にサポートします。
Nozomi Networksの日本カントリーマネージャー、芦矢悠司氏は、「多くの企業が業務プロセスをデジタル化する中で、サイバーセキュリティが最重要課題となっている」と述べ、デジタルアーツとの提携を歓迎しています。この契約によって、両社はさらなる協力体制を築き、セキュリティソリューションを通じて顧客に最大の価値を提供していく姿勢を強調しています。
まとめ
今後、デジタルアーツコンサルティングはNozomi Networksのディストリビュータとして、新たなセキュリティサービスを展開し、OT市場の拡大に貢献していく計画です。2025年度までに30億円の売上を目指すとする同社は、顧客のニーズに柔軟に応える姿勢を持っており、今後の展開が期待されます。