三菱電機株式会社は、福山工場において新たに12インチのシリコンウエハを用いたパワー半導体チップの供給を、2023年9月30日から本格的に開始すると発表しました。この取り組みは、特に民生分野に向けたもので、今後、最新のSiパワー半導体モジュールの安定的な生産を実現する狙いがあります。
近年、脱炭素社会に向けた動きが加速している中で、電力の効率的な変換を可能にするパワー半導体の需要は急増しており、多様化も進行しています。特にSiパワー半導体は、電気自動車や民生機器、産業機器、再生可能エネルギー、電鉄など幅広い分野で使用されており、今後も市場の拡大が期待されています。
福山工場は、Siウエハを用いたパワー半導体の製造プロセスを担当しており、今後の需要に応じて生産能力を拡大していく方針です。企業が掲げる中期計画では、2025年度までにSiパワー半導体のウエハプロセス工程における生産能力を2020年度の約2倍にすることを目指しています。今回、12インチSiウエハを使用したチップの供給開始により、パワー半導体の需要に迅速かつ安定的に応える体制が整ったことになります。
「各分野のパワーエレクトロニクスが省エネ化に寄与する」との企業側の言葉通り、このモジュールの供給が進むことで、パワー半導体市場にさらに拍車がかかるでしょう。技術革新によって、エネルギー効率の高い製品が市場に幅広く提供されることが期待されます。
工場の概要については、所在地は広島県福山市大門町旭の地に位置し、建物は約46,500平方メートルの広さを誇ります。この施設は3階建てで、8インチと12インチのSiウエハを使用した半導体を生産しています。福山工場は2021年11月に稼働を開始し、2022年4月には8インチSiウエハに対応した生産ラインを量産体制へと移行しました。また、2023年8月には12インチSiウエハの生産ラインが設置され、今回の供給開始に至りました。
このように、三菱電機はパワー半導体の分野で積極的に取り組みを続けており、今後もさらなる技術革新と生産能力の向上を図ることで、持続可能な社会の実現に向けた貢献が期待されます。
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