真門浩平氏の短編集『ぼくらは回収しない』が、第7回「ほんタメ文学賞」のたくみ部門において大賞を獲得しました。この賞は、俳優の齋藤明里さんと教育系YouTuberのヨビノリたくみさんがMCを務めるYouTubeチャンネル「ほんタメ」が主催。2021年に設立され、作品の優れたものに対して年に二回授与されています。
受賞作の発表は2023年8月21日、LIVE配信にて行われ、第7回には二つの部門からの候補作品が9つありました。そして、確かな評価を得た真門浩平氏の短編集がたくみ部門の栄冠をつかんだのです。この作品に対するたくみ氏のコメントは、「いま一番自信を持ってお勧めしている本」とのこと。
『ぼくらは回収しない』は、第19回ミステリーズ!新人賞を受賞した短編「ルナティック・レトリーバー」を含む全5編が収められています。作品は、ミステリーの謎解きの魅力と、青春物語としての要素が融合し、多くの人々から高い評価を受けています。
著者の真門浩平氏は、今年3月に東京大学大学院を修了し、学業と並行しながら執筆活動を続けてきました。彼は中学生時代から作品を投稿し、高校時代には同賞の最終候補にも名を連ねました。その後も執筆を続け、ミステリーズ!新人賞のウひれも受賞し、特に若手作家として注目されています。
業界の先輩作家たちからも熱い応援の声が寄せられ、自身の作品の魅力を発揮しています。例えば作家の阿津川辰海氏は「W受賞で二つの個性を示す」とのコメントを寄せ、受賞作の持つダイナミズムを称賛。市川憂人氏や辻堂ゆめ氏も、それぞれの視点で真門氏の才能を評価しています。
受賞を記念して、全国の書店では特設コーナーが設けられ、特に八重洲ブックセンターや書泉グランデ、芳林堂書店高田馬場店などでは目にすることができます。販売開始からはすでに人気の様相を呈しており、受賞による注目が集まっています。
この受賞作品の書誌情報も公開されています。書籍『ぼくらは回収しない』は、東京創元社から発売され、四六判仮フランス装で216ページにわたる内容。ISBN番号は978-4-488-02025-5です。価格は税込で1,870円となっており、装画はカシワイ氏、装幀は岩郷重力+N.T氏が手がけています。
本書の内容は、名門大学の学生寮で起こる不可解な事件を中心に展開します。数十年に一度の重大な日食の日に、女子大生が亡くなるという事件が発生。密室状態の現場から判断する限り、自殺の可能性が高いとされたが、彼女の才知と背景を知る者たちは疑問を抱く。
この一連の事件を独自に調査に乗り出す彼らの姿を描きながら、新鋭作家ならではのトリックと深い心理描写が読者を引き込む要素となり、青春とミステリーが絶妙に絡み合っています。
新たな才能に期待が寄せられる中、真門浩平氏の今後の活躍に目が離せません。特に今回の受賞を機に、若い読者層にどのように受け入れられるのか、その動向に注目が集まります。