蒲郡市がハーチと協力し循環型雇用分析ダッシュボードを発表

蒲郡市とハーチが共同で発表した循環型雇用分析ダッシュボード

愛知県蒲郡市は、同市のサーキュラーエコノミーの進捗を測る新たなツールとして、ハーチ株式会社と連携し「Gamagori Data Explorer」を公表しました。このダッシュボードは、オランダに本拠を置くCircle Economyの協力の下、循環型雇用に関するデータ分析をもとにしたものです。

Gamagori Data Explorerとは

Gamagori Data Explorerは、Circle Economyが国連環境計画との協働により開発した「Circular Jobs Methodology」に基づいています。このダッシュボードは、自治体における循環経済への移行状況を雇用視点から把握することを目的としています。特に、「Circular Jobs（循環型雇用）」の割合を測定し、その増進に向けた政策優先分野を特定するための重要なツールとなります。日本の自治体では初めてとなるこの取り組みは、地域の雇用状況を可視化する新しい試みです。

ダッシュボードは、次のリンクからアクセスできます：
Gamagori Data Explorer

蒲郡市の背景とこれまでの取り組み

蒲郡市は2021年11月に「サーキュラーシティ」を表明し、2年後の2022年度には多岐にわたる分野でのアクションプランを制定しました。教育や消費、健康など7つの重点分野において、市内外との協力を通じたサーキュラーエコノミー推進に力を注いできました。市の民間事業者とも連携し、「サーキュラーシティ蒲郡チャレンジフェスティバル」や「サーキュラーシティ蒲郡実証実験プロジェクト」を実施し、有意義な経験を積んでいます。

しかし、これまでの努力にもかかわらず、体系的に指標を用いてサーキュラーエコノミーの進捗を定量的に評価し、政策優先順位を決定することには課題がありました。そこで、ハーチとCircle Economyとの連携により、循環型雇用に関する分析が行われることになりました。

分析結果の概要

今回の分析により、蒲郡市における循環型雇用率は1.7%であることが判明しました。このうち、直接循環型雇用は1.1%、間接循環型雇用は0.6%です。特に、サービス業界が最も多くの循環型雇用を抱えていることがわかり、小売りや不動産業界がそれに続きます。また、循環型雇用率が最も高い業界はユーティリティ業界で、建設業界やサービス業界がそれに続いています。

さらに、循環型雇用のポテンシャルが高い業界として、医療・福祉、宿泊・食品、輸送業が挙げられました。これらの業界は、多くの雇用者を抱えながら循環型雇用率が低く、成長可能性を秘めています。

今後の展望

今後、蒲郡市はダッシュボードが提供するデータを基に、さらなる政策を展開していく予定です。特に、循環型雇用創造に向けた教育や投資、サービス業や製造業に対する職業訓練プログラムの充実を図ることが重要視されています。また、このダッシュボードは、自市だけでなく全国の自治体にも有用な参考資料となることが期待されています。

さらに、Circle Economyが運営するデジタルプラットフォーム「Knowlede Hub」内に、蒲郡市のサーキュラーエコノミー政策と事例に関する特設ページも開設されました。これにより、他自治体におけるサーキュラーエコノミーの実施事例とも触れ合える機会が提供されます。

公式ページへのリンクはこちらです：
Knowlede Hub - Circular City Gamagori

Circle Economyについて

Circle Economyは、持続可能な経済に向けたソリューションを提供する国際的な専門家集団です。2040年までに世界の循環性を倍増させ、持続可能な経済システムを実現する目標を掲げて活動しています。詳しくは公式サイトをご覧ください：Circle Economy

このように蒲郡市は、循環経済の推進に向けて積極的な取り組みを行っています。今後の成長が期待される分野から新たな雇用機会が創出され、市民の生活がより良いものとなることを心から願っています。