再生医療の新たなチャレンジを手掛けるオーガンテック社の未来

オーガンテック社が再生医療事業を再始動

2023年1月、株式会社オーガンテックは新たな社名での事業再開を発表しました。旧社名の株式会社オーガンテクノロジーズからの改名を経て、東京都中央区に本社を置くこの企業は、革新的な再生医療に資源を集中させています。新しい経営陣には、研究開発を担当する博士（工学）の小川美帆氏と、事業戦略及び財務を担当する近藤嵩氏が名を連ねています。

1. 事業再開の背景

オーガンテック社は2008年に設立され、その後、毛髪再生医療や歯の再生医療に注力してきました。しかし、コロナ禍の影響で資金調達が難しくなり、一時期事業を停止していました。それでも今、同社は新たな投資を受け、毛髪と歯の再生医療の2大事業を中心に再起を図っています。2023年3月までを第1回目の資金調達期間とし、小林製薬からの出資を受けることで、本格的に事業が加速される予定です。

2. 社会的背景

日本は国民皆保険制度のもと、毎年膨大な医療費が国民にかかる一方で、医療費を抑制することが喫緊の課題とされています。このため、ヘルスケア分野に注目が集まっており、2020年から2030年にかけて約200兆円の市場の拡大が見込まれています。オーガンテック社は、このヘルスケア領域の中で、「QOL医療」に特に注力し、科学的根拠のある医療の提供を通じて国民の生活の質を高めることを目指しています。

3. 小林製薬とのシナジー

小林製薬は、ヘルスケア領域において多岐にわたる製品を展開しており、オーガンテック社の技術力に大きな期待を寄せています。今回の出資により、双方の研究開発を通じて、再生医療の最前線に立つべく協力し、技術の確立と社会実装を進めていく考えです。

4. オーガンテック社の主軸事業

毛髪再生医療

現在、オーガンテック社は、後頭部からの皮膚採取を用いて再生毛包を作製し、これを移植することにより、新たな毛髪の成長を促進する技術の研究を行っています。近年、実験を通じて生涯にわたる毛髪の再生が確認されており、2024年には臨床研究の実施を計画しています。「世界初」の技術として、業界に革新をもたらすものと期待されています。