京都大学、NTTデータ、PRiME-Rの新たなパートナーシップ
2026年8月7日、京都大学医学部附属病院(京大病院)、株式会社NTTデータ、及び新医療リアルワールドデータ研究機構株式会社(PRiME-R)は、治験における医療機関業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)と分散型臨床試験(DCT)の社会実装に向けたパートナーシップ協定を締結しました。この協定により、各機関の専門知識と技術を活用し、治験の効率化と患者の参加環境の改善を目指します。
背景
近年、治験の実施が難しい消費者の環境が問題視されています。特に、多くの医療機関において治験を実施する能力が限られているため、医療機関の業務負荷が増加し、患者の情報アクセスや参加機会に地域ごとの格差が生じています。このような背景から、国は治験や臨床試験のDXとDCTの推進を重要な政策として位置づけています。
しかし、さまざまな医療機関では治験業務が異なるため、DXの普及が妨げられています。また、DCTの運用モデルも標準化されておらず、患者が居住する地域の医療機関で治験に参加する環境が中断されています。京大病院、NTTデータ、PRiME-Rはこれら問題に取り組んできた成果から、今後の普及には標準モデルと持続可能な基盤が必要であると認識し、共同で取り組むことにしました。
協定の概要
この新たなパートナーシップ協定では、以下の重要なポイントがあります。まず、京大病院の臨床研究の専門性を、NTTデータの治験支援システム「PhambieLINQ®」、PRiME-Rが提供するリアルワールドデータプラットフォーム「CyberOncology®」と組み合わせることで、治験業務のDXとDCTの実施における標準モデルの確立を目指します。これにより、複数の医療機関が協力し合って治験を実行できる仕組みが整い、患者が居住地や生活状況にかかわらず治験に参加しやすい環境の実現が期待されます。
役割の分担
協定において、各社の役割は明確に分担されています。京大病院は臨床研究の専門知識を提供し、NTTデータは治験支援システムを通じてデータの高品質化とプロセスの効率化を推進。PRiME-Rはリアルワールドデータを生かし、臨床試験の効率化と適正な患者探索に貢献します。
今後の展望
この三者は今後、DCTと治験DXの標準モデルを確立し、医療機関へ展開する計画です。これによって、DCTに対応可能な医療機関を増やし、より多くの患者が治験に参加できる環境を実現することを目指します。さらに、NTTデータとPRiME-Rは、NTTグループの取り組みの一環として、治験の社会実装を支えるシステムとデータ基盤の構築も進めます。特にNTTデータは、本協定によって得られる知見を「PhambieLINQ」に反映させ、DCT対応の機能をさらに強化する計画です。2027年には本格的なDCTサービスの提供を目指しています。
結論
京大病院、NTTデータ、PRiME-Rの連携によって形成される治験の新たな枠組みは、患者に優しい治験環境の実現へと大きく寄与することが期待されます。これにより、治験の参加機会が広がり、より多くの患者が新たな治療法の探索に貢献できる未来を切り開くことになるでしょう。