医療・福祉の労災実態
2026-07-31 12:56:57

医療・福祉現場における心理的負担と労災申請の実態に迫る

日本産業精神保健学会での注目の発表



2026年8月1日と2日に、枚方市総合文化芸術センターで開催される「第33回日本産業精神保健学会」において、一般社団法人日本男性看護師會の高橋万由子氏が「医療・福祉業界におけるメンタルヘルス休職と精神障害労災申請の乖離に関する分析」というテーマでポスター発表を行います。本記事では、その内容に関する背景や意義について詳述します。

発表の背景



近年、医療・福祉分野における精神的な問題によって生じる労災申請や認定の件数が急増しており、全業種の中でも最多となっています。一方で、厚生労働省の調査によれば、この業界においてメンタルヘルスの不調から1か月以上休業する割合は、全産業平均と同じ水準に留まっています。さらに、メンタルヘルスの不調によって退職する人の割合は、全産業の約2倍に達しています。

このような状況から「休職は通常どおりであるのに、退職や労災申請が異常に高い」という現象が浮かび上がります。本発表は、さまざまな公的統計の比較分析を通じて、この乖離の現状に迫るものです。

発表の概要



学会自体は、「すべての働く人のメンタルヘルスを支える多様性と包摂性のある職場づくりの実現」というテーマのもとに開催されます。発表の形式はポスター形式で、高橋氏がどのようにこの複雑な状況を解明し、さらにその後の産業保健をどのように改善していくかについて、具体的な提案がされる予定です。

発表者の思い



高橋氏は、現在の医療・福祉業界の現場における強い心理的負担の問題について、特に「自分が休めば職場が回らない」と考えることで、自らを追い込む働き手が少なくないとは指摘しています。「ケアをする人がケアを受けられない」という構造は、事実をデータとして可視化し、改善のきっかけを作ることが重要だと感じています。彼女は、そのデータをもとに、離職前に適切なサポートを提供できるような産業保健の仕組みを構築することを目的としています。

今後の展望



一般社団法人日本男性看護師會は、「Nursing for Nurses」をスローガンに掲げ、看護職やその他のケア従事者に対する労働環境の改善に向けた取り組みを進めています。この発表をきっかけとして、医療機関や福祉施設における産業保健機能の導入支援を行い、ケアをする人々が当然にケアを受けられる社会の実現を目指しています。

発表者プロフィール



高橋 万由子(たかはし まゆこ)


高橋氏は、日本男性看護師會の産業ナース部門の部門長として活動しており、看護大学を卒業した後、看護師と保健師の資格を同時に取得しています。彼女は大学病院の集中治療室などで急性期医療の経験を経て、現在は多様な業界で従業員の健康管理を担当しており、年に約1万3,000人の健康診断後の措置を行っています。リスク管理と仕事と治療の両立支援を両輪として、従業員が安心して長く働く社会の実現に注力しています。

今後、高橋氏の発表がどのように医療・福祉業界のメンタルヘルスの課題解決に寄与するか、多くの方々の注目が集まります。


画像1

画像2

画像3

会社情報

会社名
一般社団法人日本男性看護師會
住所
東京都新宿区西新宿三丁目3番13号西新宿水間ビル6階
電話番号

トピックス(ライフスタイル)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。