スティーヴン・キングの新作が受賞
2025年5月15日、東京都千代田区で行われた選考会において、株式会社文藝春秋から発行されたスティーヴン・キングの最新作『ビリー・サマーズ』が「第78回日本推理作家協会賞・翻訳部門」を受賞しました。この賞は、日本国内で刊行された海外ミステリの中で優れた作品を対象としており、著者と翻訳者が表彰されるものです。
作品の概要
『ビリー・サマーズ』は、スティーヴン・キングのこれまでの作品の中でも特にスリリングなクライムノヴェルであり、凄腕の暗殺者による最後の依頼を背景に展開します。物語は意外な展開を見せながら、最終的には「小説を書くこと」の素晴らしさを称賛する視点で締めくくられています。
訳者を務めた白石 朗氏は、「この受賞を心から喜ぶ」と述べ、選考に携わった委員会や読者に感謝の意を表しました。キングのキャリアは50年を超え、本作における彼の力量はもちろんさらなる文芸賞にて認められたことは、作家としての彼の地位を再確認させるものでしょう。
スティーヴン・キングのプロフィール
スティーヴン・キングは1947年にアメリカのメイン州で生まれ、1974年に恐怖文学の金字塔『キャリー』で作家デビューを果たしました。以来、『シャイニング』や『11/22/63』など多彩なジャンルを超え、モダン・ホラー小説の巨匠として名を馳せています。彼は、ブラム・ストーカー賞やエドガー賞などの数々の貴重な国際的な文学賞を受賞し、多くの作品が映像化されています。
翻訳者の白石 朗氏
白石 朗氏は1959年に東京都で生まれ、早稲田大学を卒業後、英国文学の翻訳を手掛けてきました。彼の訳書には、キングの『フェアリー・テイル』や、ジョン・グリシャムの『告発者』などが含まれ、特にキング作品の翻訳においてその技量を発揮しています。
選考に残った作品たち
『ビリー・サマーズ』が受賞するまでの候補作には、ジェイク・ラマーの『ヴァイパーズ・ドリーム』や、馬 伯庸の『両京十五日』などがあり、それぞれが独自の魅力を持っています。最終的にキングの作品が選ばれたことで、彼の独自のスタイルと物語性が改めて評価された形です。
まとめ
スティーヴン・キングの『ビリー・サマーズ』の翻訳部門受賞は、彼の長い作家人生における一つの大きなマイルストーンとなりました。そして、この受賞が新しい読者を彼の作品へと誘うことになるでしょう。キングの作品は、その奥深いテーマと人間理解の鋭さから、これからも多くの人々に影響を与え続けることでしょう。