AIによる交通誘導警備が静岡県で実現へ
静岡県の沼津市に本社を構える株式会社トーセイコーポレーションが、警備業界での人手不足解消を目指し、AIを活用した交通誘導警備のデモンストレーションを実施しました。この取り組みは、2023年8月28日(月)に行われ、静岡県内初の試みとして注目されています。
イベントの概要
デモンストレーションは「実現性検証プログラム」として開催され、午前の部と午後の部に分かれ、東部自動車学校で実施されました。このプログラムの背景には、警備業界の慢性的な人手不足があります。静岡県では、交通誘導警備業者の数は増加していますが、警備業を含めた保安職業の有効求人倍率は依然として厳しい状況です。令和5年5月分のデータによると、全職種の有効求人倍率が1.26倍に対して、警備・保安は6.94倍という高数字を記録しています。
AI警備システムの特徴
トーセイコーポレーションが提案するAI警備システムは、道路工事現場に設置するだけで自動的に交通誘導を開始できます。具体的には、AIが車両の通過状況や周辺の渋滞情報をリアルタイムで取得し、適切な信号切り替えのタイミングを判断して、通行車両をスムーズに誘導します。以下は、このシステムの主な特徴です。
1.
渋滞状況をAIが判断
渋滞時の最適な誘導をAIが解析し、自動的に適切な誘導を行います。
2.
高度な視認性
国内トップクラスの鮮明なLEDディスプレイを採用し、昼夜を問わず通行する車両や歩行者を確実に誘導します。
3.
緊急時の手動操作
イレギュラーな誘導が求められる場合には、警備員がリモコンで両端の信号を制御可能です。
これらの機能により、AI警備システムは現場での事故リスクを低減し、生産性の高い安全な業務を実現します。
警備業界の現状と将来
警備業界では、人手不足が深刻な問題となっています。多くの現場で警備員が必要とされているにもかかわらず、求職者が集まりにくい状況が続いています。AI技術を活用することで、これまで人手によって行われていた業務をサポートし、業界全体の生産性を向上させることが期待されています。
トーセイコーポレーションの取り組み
トーセイコーポレーションは、創業以来31年にわたり交通誘導や駐車場警備、施設常駐警備、ドローン警備など、多様な業務に取り組んでいます。静岡県東部を中心に活動する同社は、地域社会の安全を確保するため、今後もAI技術を取り入れた新たな取り組みを続けていくことでしょう。また、同社の公式ウェブサイトでは、AI警備システムの詳細な動画も掲載されていますので、興味のある方はぜひご覧ください。
AI警備システムの紹介動画はこちら
このような革新的な取り組みにより、静岡県の警備業界は新しい時代へと突入し、今後の発展が楽しみです。