TOWINGが実現する持続可能な農業の未来
2023年、愛知県名古屋市に本社を構える株式会社TOWINGが注目の資金調達を果たしました。シリーズBラウンドにおいて、19.4億円という巨額の資金を集め、累計調達額は29.5億円を超えるに至りました。この資金は、高機能バイオ炭「宙炭」の研究開発や製造拠点の拡充を進めるために使われ、持続可能な農業の実現に向けた大きな一歩となります。
バイオ炭の役割と「宙炭」
TOWINGが開発した「宙炭」は、従来のバイオ炭とは異なる特性を持つ土壌改良資材です。アルカリ性のバイオ炭が土壌のpHを上昇させる可能性がある中、「宙炭」は中性に近いため、作物の生育に非常に適しています。これにより、農業従事者は持続可能な方法での耕作が可能になります。
「宙炭」は地域の未利用バイオマスを再利用し、農地への炭素固定を通じて温室効果ガスの削減にも寄与します。この「リジェネラティブ農業」の概念は、次世代の食料生産システムを形成する鍵となるでしょう。
世界規模での農業課題の解決
持続可能な農業のニーズは日本国内にとどまらず、世界中で高まっています。EUのFarm to Fork戦略や、アメリカの農業イノベーションアジェンダ、日本の「みどりの食料システム戦略」といった政策が進められています。TOWINGはこれらの流れに対応し、宙炭によって化学肥料依存からの脱却や土壌改良を進められる技術を提供しています。
今後の展望
2024年には、新たな製造拠点として豊橋プラントを稼働し、全国各地での宙炭供給体制の確立を図ります。さらに、アメリカやブラジル、タイといった国々で、実証実験や大規模な農業プロジェクトが進行中です。これにより、国際的な農業の持続可能性向上に貢献していきます。
また、TOWINGはカーボンクレジットに関するビジネスモデルなどの特許も取得し、その基盤を広げています。これにより、持続可能な農業の実現に向けたビジネスモデルを確立しつつあります。
投資家の期待の声
投資家からは、TOWINGの技術の潜在能力に対する期待が寄せられています。Beyond Next Venturesのパートナー、有馬暁澄氏は、「農業業界の宇宙兄弟」としてのTOWINGの挑戦を称賛し、その成長を楽しみにしています。また、株式会社脱炭素化支援機構の上田嘉紀氏は、未利用バイオマスの活用を通じた収益向上と脱炭素の重要性を強調し、TOWINGの成長を期待しています。
未来への道筋
TOWINGは、持続可能な農業を支えるため、さまざまな取り組みを進めています。企業の基本理念として、地域の環境を守り、食料生産の未来を担う企業を目指します。私たちの取り組みが、次世代の農業の在り方を変えることに寄与し、グローバルな課題の解決に繋がることを信じています。の