三菱重工グループが新たに開発した旅客搭乗橋
三菱重工交通・建設エンジニアリング株式会社(MHI-TC)は、成田国際空港株式会社(NAA)との共同開発のもと、旅客搭乗橋(PBB)の新しい「完全自動装着システム」を完成させ、この春から販売を開始します。この技術は、航空機との接続作業を全自動で行うもので、特に忙しいエアポート運営において注目されています。
完全自動装着システムの進化
これまでの自動装着システムは、航空機までの自動走行は行われるものの、最後の接続作業はオペレーターの手作業が必要でした。しかし、今回の新システムでは、三つの主要機能が追加され、すべての装着作業が自動的に行えるようになりました。
1. オートドッキング機能
この機能は、操作盤からのワンプッシュ操作で開始され、航空機のドアを検出し、自動で走行。キャブの高さや航空機との並行度を自動で調整後、接続します。これにより、従来の手作業を大幅に省略できます。
2. ツインオートドッキング機能
二基の旅客搭乗橋が同時に空港スポットで設置されている場合、1基の操作で、もう1基も連動し自動接続が行えます。これにより作業連携が向上し、効率的な運用が可能です。
3. リモートドッキング機能
エプロンからタブレットを使って遠隔操作ができるこの機能は、コントロールが逃れた状況でも迅速に対応可能です。これにより、オペレーターの負担を軽減しつつ、作業のスピードアップを実現します。
業界の現状と課題
現在、日本政府は2030年までにインバウンド旅行者を6000万人に増やす目標を設定しています。これに伴い、空港の業務はますます負担が増加しています。しかし、全国的なスタッフ不足がこの分野での大きな課題となっており、空港オペレーションの効率化が急務です。
MHI-TCは、この状況に対応するため、安全かつ効率的な空港業務の実現を目指し、DXの進展を推進しています。自動化された旅客搭乗橋の導入が、グランドハンドリングの負担軽減に寄与することが期待されています。
未来を見据えた取り組み
MHI-TCは、情報通信技術(ICT)やIoT技術を駆使して、完全な自動装着システムを実現しました。この技術は、交通インフラの円滑な運行を支え、次世代の空港内作業の高度化へ貢献するものです。
引き続き、MHI-TCは技術革新を通じて、より快適で効率的な空港環境の実現に向けて努力していきます。次世代の空港オペレーションがどのように進化していくのか、今後の展開に注目です。