鹿島アントラーズ、国産SAF製造へ廃食用油を供給開始
日本のプロサッカー界で先進的な取り組みを行なっている鹿島アントラーズが、国内のプロスポーツクラブとしては初めて、スタジアムやクラブ施設から排出される廃食用油を使用して、国産の持続可能な航空燃料(SAF)を製造するための基本合意書を締結しました。この取り組みは循環型社会の実現に向けて、地域の資源を新たな形で活用する試みでもあります。
基本合意書の締結
このプロジェクトは、鹿島アントラーズをはじめとする4社—日揮ホールディングス株式会社、株式会社レボインターナショナル、合同会社SAFFAIRE SKY ENERGYとともに進められています。スタジアムでの試合日の売店から出る廃食用油は、国産SAFの製造の原料として供給する計画です。また、アントラーズは「Fry to Fly Project」にも参加しており、サステナブルな航空機の運用を支える活動を拡大する意向です。
年間の廃食用油の見込み
アントラーズのクラブハウスカフェ、アカデミーハウス、雄飛寮などから出る廃食用油は、すでに回収が開始されています。年間約1,100リットルの回収が見込まれ、さらに来る12月からスタジアムの売店からも年間約2,300リットルの廃食用油が供給される予定です。これらは、SAFFAIRE SKY ENERGYが堺市に建設中のSAF製造プラントで新たな燃料として再生されます。
環境への貢献を目指して
鹿島アントラーズは、地域に根ざした活動を通じて社会貢献と環境への配慮を強く希望しています。以前から使用済みペットボトルのリサイクル設置やカーボンニュートラルLPガスの導入などを行い、地域資源の循環を目指してきました。今回の廃食用油のSAFとしての再活用も、その一環となります。
持続可能な航空燃料(SAF)について
SAF(Sustainable Aviation Fuel)は、バイオマスや廃食用油、都市ごみなどを原料として製造される持続可能な航空燃料です。温室効果ガスの排出量を約80%削減できるとの見通しがあり、既存のインフラも活用できる点が魅力です。特に、航空機は電気や水素での燃料転換が難しいため、SAFの利用が重要とされています。
Fry to Fly Projectの概要
また、アントラーズが参加するFry to Fly Projectは、日常生活や店舗から出る廃食用油をSAFとして使用し、航空機の運用を支えることを目的としたプロジェクトです。この取り組みにより、国内での資源循環の促進に貢献し、より持続可能な社会を形成したいと期待されています。特設サイトでは、プロジェクトの詳細な活動内容や参加方法が紹介されています。
このように、鹿島アントラーズの持続可能な取り組みは、地域社会や環境への関心を高める良いモデルケースとなっています。今後もこのプロジェクトの進展が注目されます。