J.D. パワー2024年ホテル宿泊客満足度調査の概要
株式会社J.D. パワー ジャパンは、2024年のホテル宿泊客満足度調査の結果を公表しました。この調査は地域のホテルがどれほど顧客の期待に応えられたかを評価しており、今回で18回目となります。調査対象は、9月中旬から下旬にかけて行われ、全国のホテルを利用した20歳から74歳の人々からのデータが集められました。
調査方法と部門分類について
本調査では、宿泊したホテルの客室面積の違いに基づいて5つの部門が定義されました。具体的には「アッパーアップスケールホテル部門」、「アップスケールホテル部門」、「アッパーミッドスケールホテル部門」、「ミッドスケールホテル部門」、「エコノミーホテル部門」が設けられ、それぞれの部門で宿泊客の満足度が測定されます。この方法により、各ホテルブランドの特徴や優位点が明確に浮かび上がります。
宿泊料金の上昇と満足度の関係
調査によれば、宿泊料金は前年に比べ上昇傾向にあり、38ブランドのうち18ブランドが10%以上の料金上昇を記録しました。しかし、料金上昇が顧客の満足度に与える影響は限定的でした。今回の調査では12ブランドで満足度が10ポイント以上向上し、逆に満足度が低下したのはわずか2ブランドにとどまりました。
特に注目すべきは、コロナ禍で遅延していた「料飲」の質向上と「客室」や「ホテル施設」のメンテナンスがしっかり行われたことで、多くの宿泊客がこれを高く評価しています。特に、朝食を中心とする料飲サービスが大きな役割を果たしています。
宿泊客が求めるサービス
調査では宿泊施設について、特に重視されているサービスやアメニティに関する14項目が評価されました。その結果、入浴施設や地域の特産品を活かした朝食メニューが宿泊客にとって特に重要視されていることが分かりました。
具体的には、温泉や浴場施設が特に人気で、約4割以上の宿泊客がこれを重要と回答しました。また、地域の食材を活かした朝食メニューが提供されることで、多くの宿泊客が満足度の向上を実感しています。
スマートチェックインの導入
最近、セルフサービス型の「スマートチェックイン」が普及しており、多くの宿泊客がこのサービスに対して高い関心を示しています。特に、エコノミーホテル部門では約25%が自動チェックイン機を利用する傾向にあり、大きな支持を得ています。
ただし、セルフチェックインの利用には十分な配慮が必要であり、宿泊客の期待に応えるためにはスタッフによるサポート体制が重要です。満足度向上に向けては、導入の際に宿泊客のニーズをしっかりと把握することが求められます。
2024年の総合満足度ランキング
調査では、各部門の総合満足度ランキングも発表されました。
1. オークラ(776ポイント)
2. ウェスティン(763ポイント)
3. シェラトン(761ポイント)
1. インターコンチネンタルホテル /ANAインターコンチネンタルホテル(786ポイント)
2. ハイアットリージェンシー(779ポイント)
3. ニューオータニ(768ポイント)
1. ラビスタ(773ポイント)
2. OMO by 星野リゾート(762ポイント)
3. ANAクラウンプラザホテル(752ポイント)
1. リッチモンドホテルズ、ベッセルホテルズ(726ポイント)
3. カンデオホテルズ(721ポイント)
1. スーパーホテル(712ポイント)
2. ヴィアインホテル(699ポイント)
3. コンフォート(695ポイント)
全体として、宿泊料金が上昇する中でも、質の高いサービスの提供に努めることで、宿泊客の満足度を向上させる取り組みが求められています。引き続き、ホテル業界は顧客のニーズを把握し、高い満足度を提供することが期待されています。