兵庫県川西市で中学生の自転車通学を試行、交通安全も強化

兵庫県川西市における中学生の自転車通学試行

兵庫県川西市では、中学生の通学にかかる負担を軽減するため、特定地域での自転車通学を試行的に実施しています。この取り組みは、令和5年度の教育大綱作成の際に、市長や教育長、教育委員と市内の中学生との意見交換を通じて提案されたものです。「自転車での登校を可能にしてほしい」という生徒の声が、この試行実施へと繋がりました。

試行実施の概要

2023年8月29日から、北陵小学校区から東谷中学校へ通う生徒を対象に、また同じく9月2日から、けやき坂小学校区から清和台中学校に通う生徒も対象に自転車通学が始まりました。川西市教育委員会の調査によると、清和台中学校では158名、東谷中学校では64名の生徒が自転車通学を希望しています。

安全対策の徹底

実施にあたり、両中学校では生徒に対して交通ルールの遵守を徹底するための指導が行われ、通学に使う自転車には許可シールが配布されました。また、各中学校では「自転車安全規則」が策定され、兵庫県警が発行する「自転車ルールハンドブック」を基に、安全な自転車の利用が呼びかけられています。

保護者には自転車保険への加入や防犯登録、そしてヘルメットの着用の必要性が通知されており、安全な通学環境づくりが着実に進められています。特に、就学援助を受ける生徒には、ヘルメットなどの安全装備購入費として一律4,000円の助成が行われる予定です。

通学路の整備と啓発活動

さらに通学路にあたる市道1314号や市道1526号においては、自転車通行空間の整備工事が行われ、矢羽根型の路面表示や道路改修が進められています。この工事は、自転車事故の防止の一環として実施されており、通学路での街頭啓発活動も併せて行われています。

試行通学の初日には、教職員や地域の学校協力員、そして川西市教育委員会や交通政策課、川西警察署の職員が、一堂に会して交通ルールの遵守を呼びかけました。街頭啓発の様子は、参加者たちが生徒にしっかりと交通ルールを守るよう促す姿に象徴されていました。