岡本太郎記念館で開催される企画展「生命の樹」とは

岡本太郎記念館の企画展「生命の樹」

岡本太郎の芸術を担う岡本太郎記念館（東京都港区南青山）で、2025年7月2日から11月3日までの期間、特別企画展「生命の樹―もうひとつの太陽の塔―」が開催される。これは、1970年の大阪万博で一世を風靡した「太陽の塔」とその内部に存在していた《生命の樹》に焦点を当てた展覧会だ。

メインビジュアルとなる《生命の樹》は、高さ41メートルという巨大な樹体に33種の生命体を模しており、単細胞生物から旧石器時代の人類まで、数十億年の生物の進化を象徴している。展覧会に参加することで、来場者はエスカレーターを利用してこの驚異的な生命の流れを俯瞰することができ、生命の尊厳やエネルギーを新たな視点で体感できる。

岡本太郎はこの《生命の樹》について「太陽の塔の血流」と述べ、その重要性を強調した。太陽の塔自体が「内蔵」を持つ「いきもの」として構想された事実がまさに生き生きと表現されている。また、《生命の樹》は長年放置状態にあったが、2018年に復元を果たし、新しい形を持って再登場。そのインパクトは多くの人々に感動をもたらした。

本展では、再生された《生命の樹》をより深く知るために、1/15スケールのモデルも制作されており、鳥瞰視点からその全貌を楽しむことが可能だ。来館者はこの機会に、太陽の塔という作品の深い歴史とその象徴である《生命の樹》の意義を直接体験することができるのだ。