北海道大学と東京電機大学がAdobe Creative Campusに加盟し創造性を促進

アドビ株式会社は、2024年10月10日に北海道大学と東京電機大学が「Adobe Creative Campus」に加盟したことを発表しました。このコンソーシアムは、学生のクリエイティブなデジタルスキルの育成に尽力する大学が参加するため、日本国内でも注目の取り組みです。

「Adobe Creative Campus」は、アドビのテクノロジーを利用して高等教育機関がクリエイティブデジタルリテラシーを育成することを目的としています。世界中に約100校が名を連ねており、日本では北海道大学と東京電機大学が新たに仲間入りしました。北海道大学は国立の総合大学として日本初、東京電機大学は私立理工系の第一区分としての初加盟校という位置づけです。

この加盟により両大学は、全学生と教職員にAdobe Expressのライセンスを提供し、デジタルリテラシーを高めるための教育環境を整備することが期待されています。特に北海道大学は「HU VISION2030」の戦略に基づき、国際社会と地域社会との連携を強化し、イノベーションを生む教育体系を構築していく方針です。

さらに、北海道大学ではアドビとの共同研究を通じて、世界的な教育のベストプラクティスの分析や、他の大学でも利用可能なカリキュラム開発が行われる予定です。これにより、教育の質が向上し、学生たちが新たなスキルを身につける機会が広がるでしょう。

一方、東京電機大学では「実学尊重」を基に、すでにAdobe Creative Cloudを通じた教育を推進してきました。今回は、Adobe Expressの生成AI機能を初年次教育に導入し、リベラルアーツ教育にも新たな視点を加えます。これにより、学生たちは理工学的知識に基づいたデジタル創造力を磨く機会が増えることとなります。

札幌での今後の活動に期待が寄せられている北海道大学の山本文彦理事・副学長は、「この加盟により新たなイノベーションを生み出す教育環境と人材育成の充実が期待される。地域社会や企業との連携強化にも寄与する」と述べています。また、東京電機大学の射場本忠彦理事・学長も、「グローバルなAdobe Creative Campusとして認定されたことを喜ばしく思う」とし、これからの社会において必要なスキルセットを学生に提供することの重要性を強調しました。

アドビの教育事業本部の小池晴子執行役員もこの発表に期待を寄せており、加入校が増えたことで日本から新たな視点が世界に伝わることに感謝の意を表しました。生成AIを含むデジタルツールの活用により、学生が将来にわたって役立つデジタルスキルを習得できるよう、アドビは今後も支援を続ける考えです。

この新しい教育の枠組みが、日本の高等教育界におけるクリエイティブな機会を広げ、学生たちがデジタル時代に対応したスキルを身につけることができる基盤を築くことにつながることに期待が寄せられています。