エジプトでの再生可能エネルギー新時代の到来
エジプト・アラブ共和国において、アフリカ最大の風力発電所「Gulf of Suez Wind Farm Ⅱ」が2025年6月30日に営業運転を開始しました。このプロジェクトは、株式会社ユーラスエナジーホールディングスと豊田通商が協力し、エジプトでのエネルギー供給の新しい地平を切り開くことを目的としたものです。
発電所の概要
この発電所はスエズ湾沿いのガルフ・エル・ゼイト地区に位置しており、その連系容量は650,000kW。84基の風力発電機(各6,000kW)と、さらに世界最大級の20基の風力発電機(各7,500kW)が設置されています。運営は当社と豊田通商、さらにはフランスのエンジー社とエジプトのオラスコム・コンストラクション社が出資した現地事業会社、レッド・シー・ウインド・エナジー社が担当しています。
このプロジェクトの重要な点は、エジプト送電公社へ25年間電力を売電するということ。見込まれる電力供給は、一般家庭約1,100,000世帯の消費電力に相当し、1年間で約1,450,000トンのCO2削減効果が期待されています。
前回のプロジェクトとの関係
実は、この地域ではすでに「Gulf of Suez Wind FarmⅠ」が2019年10月から稼働しています。この発電所の連系容量は262,500kWで、2つの発電所を合わせると912,500kWになるため、エジプト政府が掲げる2030年までに再生可能エネルギーの発電比率を全電源比の42%にしたいという目標に向けた大きな一歩となります。
環境への貢献
この新しい発電所の稼働により、ユーラスエナジーグループの運営する発電所の連系容量が5,104,372kWを超えることになります。ユーラスエナジーは『クリーンエネルギーの普及・拡大を通じ地球環境保全に寄与する』という企業理念のもと、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進めています。今後も豊田通商と協力し、アフリカでの再生可能エネルギーの拡大に力を入れ、環境保全にも貢献していく方針です。
総事業費と融資情報
このプロジェクトには約7億9,000万米ドルが投じられています。主要な融資団には国際協力銀行、日本貿易保険、三井住友銀行、農林中央金庫、ソシエテ・ジェネラル銀行(フランス)、欧州復興開発銀行が名を連ねています。
まとめ
エジプトの「Gulf of Suez Wind Farm Ⅱ」は、アフリカにおける風力発電の歴史に新たなページを加えた重要なプロジェクトです。持続可能なエネルギー資源の確保は、環境保全だけでなく、地域社会の発展にも大きく寄与することでしょう。ユーラスエナジーグループが描く未来に期待が高まります。