富士通コンポーネントの新しい車載電装用リレーFTR-G3シリーズ
富士通コンポーネントが新たに発売したFTR-G3シリーズは、特に車載電装用のニーズに応えるべく設計されたリレーで、特筆すべきはそのサイズのコンパクトさです。世界最小クラスのこのリレーは、ジャンクションボックスやボディーコントロールモジュールへの適用が可能で、車両のさまざまな機能を支える重要な部品となります。
FTR-G3リレーの特長
1. コンパクトな設計
FTR-G3リレーは、わずか6.6 x 13.7 x 14.0 mmという極小サイズを実現しています。このサイズは高密度実装にも対応しており、パワーウィンドウやパワーシート、ドアロックなどさまざまな機能の制御に最適です。
2. 高い耐久性と性能
このリレーは、30Aのヒューズに対応しているため、大電流の制御を必要とする機器にも対応可能です。また、使用周囲温度が-40℃から+125℃までと広範囲であるため、厳しい条件下でも高いパフォーマンスを発揮します。
3. 状況に応じた多様な実装方式
FTR-G3シリーズは、フロータイプやスルーホールリフロー実装に対応しており、使用する環境や製造工程に応じて選択が可能です。特に、粉塵や排気ガスに強いプラスチックシール形や、リフロー工程で内部空気を逃す孔が開けられたフラックスフリー形の2タイプがあります。
4. 国際品質基準の遵守
このリレーは、国際的な品質マネジメントシステム規格IATF16949を取得した工場で製造されており、信頼性という点でも高い基準を満たしています。これにより、自動車業界でも安心して使用できる製品となっています。
今後の展開
富士通コンポーネントは、FTR-G3シリーズの販路拡大だけでなく、さらなる高信頼性・高性能なリレーの製品ラインアップを強化していく方針です。2023年4月末からの製造開始情報もあり、今後の市場展開に大いに期待が寄せられています。
この新しいFTR-G3リレーは、車載電装技術の進化を象徴する製品であり、今後の自動車産業において重要な役割を果たすことでしょう。特に、コンパクトな設計ながらも性能に妥協しないこのリレーは、多くの自動車メーカーに選ばれることが予想されます。
技術仕様
- - 接点構成: 1a(1メーク)、1c(1トランスファー)
- - 接点定格: 30A 14VDC
- - 最大通電電流: 40.5A(30分間)
- - 最大投入電圧: 35A 16VDC
- - コイル定格電圧: 12VDC
- - コイル定格消費電力: 約640mW
- - 耐電圧: 500VAC(1分間)
- - 外形寸法: 6.6×13.7×14.0 mm / 約4.0g
全体として、FTR-G3シリーズは技術革新の進む自動車業界において、注目すべき新製品となっています。ユーザーにとってその性能と信頼性が、今後の自動車の安全性や機能性向上にも寄与することが期待されます。