営業職女性の活躍を促進する新しいプロジェクトの誕生

営業職の女性活躍を推進する「働きやすさNEXT プロジェクト」とは

　ENEOS、電通、日本航空、日本マクドナルド、富士フイルムホールディングス、三井不動産の6社が共同で発表した「働きやすさNEXT プロジェクト」は、営業職として働く女性たちが直面する課題を深く掘り下げることで、彼女たちがより活躍できる環境を整えるための取り組みです。このプロジェクトの具体的な成果として、女性営業職のリアルボイスを集約したホワイトペーパー「働きやすさNEXT プロジェクト FOR THE NEXT2025」が公開されました。

中心となる理念

　本プロジェクトは、営業職としてキャリアを積む女性たちの声をもとにしています。このリアルなフィードバックを聞くことで、問題の本質を考察し、解決策を模索していくことが目標です。プロジェクト実施の期間は2025年の7月から11月にかけて行われ、様々な施策が計画されています。

5つの壁とは

　本プロジェクトでは、女性営業職が直面する「5つの壁」が明らかにされました。これらは次の通りです：
1. 仕事と育児の両立
2. 過度な配慮
3. 世代間の価値観や意識のずれ
4. ライフプランとキャリアの板挟み
5. 女性活躍推進の手段の目的化

これらの構造的問題には、現場で働く女性たちからの意見が大きく反映されています。それぞれの課題に対して、参加者たちは対話を通じた理解を深め、施策の具体化を目指しました。

プロジェクトの実施概要

　プロジェクトでは、参加した6社の従業員178名に対し、働き方に関するアンケートを実施しています。また、女性営業職や管理職、経営層を含む参加者たちは、実際に4回のワークショップを通じてディスカッションを行い、直面している課題や背景を共有しました。これにより、参加者は互いの経験を語り合い、共通の理解を築くことができました。

　特に焦点を当てたのは、営業職の特性とその中で生じるコミュニケーションの不全です。顧客との関係性や職場環境など、様々な要因が影響を及ぼす中で、議論は活発に進行しました。生成AIの活用もあり、よりリアルな声が反映されています。

参加企業の意見

　各社のプロジェクト参加者たちは、活動を通じて得た気づきをシェアしています。

- 宇都宮幹子氏（三井不動産株式会社）は、多様な意見を尊重しつつ、現場のギャップを埋める仕組みを作っていく意義を強調しました。
- 西原口香織氏（日本航空株式会社）は、女性活躍推進が全従業員のやりがいを高めると述べ、プロジェクトで築かれた絆を大切にしていくことを望んでいます。
- 吉澤ちさと氏（富士フイルムホールディングス）は、「全ての課題の根底にコミュニケーション不全がある」とし、理解を深める重要性を再確認しました。
- 森田麗氏（ENEOS株式会社）は、長期的な活躍を支えるためには、上司の覚悟や施策の重要性を感じています。
- 西村美子氏（日本マクドナルド株式会社）は、「5つの壁」が業種を越えた共通の課題であると認識し、対話の重要性を述べました。
- 国政裕子氏（株式会社電通）は、営業職の働きやすさ向上が全社的な改善に繋がると信じ、社会的メッセージの発信を目指しています。

未来への展望

　今回の「働きやすさNEXT プロジェクト」は、女性営業職の稼げる未来を築くための重要なステップとなるでしょう。多様な関係者が協力し合い、持続可能な環境を整えていく姿勢は、企業文化そのものの変革につながります。この動きが全国の企業に広がり、営業職の女性たちがより一層活躍できる社会の実現に貢献していくことが期待されています。