シニア向け建設業求人における「2024年問題」の影響
シニア転職支援を行う株式会社シニアジョブが、建設業におけるシニア向け求人の実情を調査した結果、休日の多い求人は依然として不足している様子が浮き彫りになりました。2024年の労働基準法改正に伴う「2024年問題」の影響を背景に、シニアの求人市場にも変化が見られることが分かりました。
調査の概要
シニアジョブは、2024年9月9日時点での自社の求人メディア「シニアジョブ」に掲載されている建設業関連の求人を対象に調査を実施しました。この調査では、建設関連の職種における休日の取得状況や残業時間について比較を行い、その結果を分析しました。
調査結果のポイント
全体として、建設業のシニア向け求人においては、休日が多く、残業が少ない求人は全体の20〜40%を占めている一方、現場作業員や重機オペレーターなど、実際の作業に関わる職種では、休日が多い求人は3%〜10%と非常に限られていることが分かりました。
特に現場作業員の求人では、休日の取りやすさに乏しい傾向が強く、完全週休2日制や年間休日120日以上を謳った求人はそれぞれ11.1%、4.6%、7.4%に過ぎません。一方で、残業が月平均20時間以内とされる求人は43.3%あり、残業そのものには一定の配慮がなされていることが伺えます。
労働環境の改善と未来
この調査結果は、過去数年で建設業界での働き方が改善されてきたことの反映とも言えます。かつては残業や連勤が多かったため、シニアからも歓迎されていた部分がありましたが、最近では労働環境の改善を求める声も多くなっています。
代表取締役の中島康恵氏は、「シニア向け求人は残業が少ない求人が多いものの、休日に配慮された求人は少ない状況です。これは市場全体の傾向であり、今後の改善が必要です」と述べています。このようなニーズに応じて、シニアジョブでは焚き火を通じた新たな求人情報の提供や、労働条件の明確化に向けた取り組みが期待されています。
調査の意義
シニア向け求人市場では、シニアのニーズに応える形で求人の質を向上させることが求められています。2024年問題による影響を受けつつも、求職者の環境改善の要望を実現することがカギとなるでしょう。
今後、シニアジョブはシニア層の方々が安心して働ける環境を整えるため、さらなる取り組みを進めていく方針です。特に、現場作業員のように体力的な負担の大きい職種においては、労働時間や休日の調整がカギとなり、これを受け入れる企業側の理解も必要です。
今後の求人市場がどのように進化していくのか、目が離せません。