大学生のアルバイト実態調査(2025年)
2025年に実施されたマイナビの調査によれば、アルバイトを行う大学生の54.8%が「経済的なゆとりがない」と感じていることが明らかになりました。この割合は調査開始以来の最高値であり、学生たちが抱える厳しい経済状況を反映しています。
アルバイトの目的の変化
アルバイトをする目的についての調査結果も注目されます。従来、アルバイトは社会経験を積むための手段とされていましたが、今回の結果では「お金のため」に働く割合が上回りました。具体的には、貯金や趣味のため、人それぞれの理由が挙げられています。「社会経験を積むため」という理由は30.4%と、金銭的な理由に比べると明らかに少ない数字です。
一人暮らし学生の生活状況
一人暮らしをしている大学生のアルバイトの平均月収は59,000円に対して、生活費は平均55,200円というデータが示されています。この差は3,800円であり、大学生が生活費に対して厳しい状況に置かれていることが伺えます。希望する月収は81,800円にもかかわらず、現実とのギャップは大きいです。
年収の壁と就業調整の実態
また、「年収の壁」とされる103万円以下に収入を抑えている割合も高く、54.6%の学生が調整を行っていると回答しました。特に、94.3%が103万円以下の範囲内で働こうとしていることには驚かされます。これは多くの学生がこの年収の壁を強く意識していることを示唆しており、就業調整は現実の生活に影響しているようです。
年収の壁の引き上げを求める声
調査において、年収の壁を引き上げるべきだと考える学生は72.5%にのぼり、生活費の高騰や手取りの増加を求める声が多く聞かれました。また、最低賃金の上昇も影響しているようです。現在の経済状況において、収入の増加は学生生活のゆとりに直結するため、より多くの学生がこの問題に対して関心を寄せています。
学生生活の未来に向けて
今回の調査結果からは、大学生が直面する経済的な厳しさが如実に表れており、アルバイトによる収入は生活に欠かせない存在となっています。アルバイトが社会経験を積む場から生計を支える手段に変わってきていることも明らかです。これにより、賃金の枠組みについての議論が必要性を増していると言えるでしょう。
調査担当者は、「真の意味での学生生活の充実には、経済的なゆとりが大切」と語り、今後ますます議論を深めていく必要性を強調しています。学生たちが求める環境が整備されることで、より豊かで充実した大学生活が実現することを願います。