大賞を受賞したキリンの「premedi」とは
2024年に創設された「日本新規事業大賞」は、新たな価値を生む企業の取り組みを評価する場として注目を集めています。今回、キリンホールディングスが発表した新規事業「premedi」が大賞に選ばれ、その革新的な内容が多くの人々に感銘を与えました。
キリンの新規事業「premedi」
「premedi」は、調剤薬局の「ロングテール在庫」に焦点をあて、AI技術を駆使して在庫管理の効率化を図るサービスです。このサービスは、薬局で使用頻度の低い医薬品の在庫問題を解決することを目的としており、キリンのAI予測技術を活用しています。
薬局において、多くのスペースを占める医薬品は、実はあまり使用されないものが多く、これらは在庫管理の複雑さや廃棄ロスを引き起こす原因となっています。そこで「premedi」は、データに基づいて在庫の最適化を提案し、薬局までも新たなビジネスモデルを提供しました。これにより、薬局の業務効率を向上させると同時に、在庫廃棄にも対処できるようになっています。
優れたプレゼンテーションと審査員の評価
2025年5月8日に開催されたスタートアップ展示会「Startup JAPAN 2025」内での最終審査では、参加した事業者たちがプレゼンテーションを行い、その中で「premedi」は圧倒的な評価を受けました。経済産業省の池田陽子氏は、「政府がスタートアップ支援に力を入れている中で、プレゼンに込められた革新性やエネルギーに強い印象を受けた」と述べました。これは、比例のない課題に対し挑戦し続ける企業家精神が、いま求められているということでしょう。
オーディエンス賞と特別賞
また、オーディエンス賞には製造業を結ぶプラットフォーム「KAMAMESHI」が受賞し、審査員特別賞では同じく「KAMAMESHI」や、農業と畜産業を組み合わせた「耕畜連携もみ殻事業」など、多様な取り組みが評価されました。これにより、今回のアワードは新たな産業の可能性を広げる場ともなり、新規事業の重要性を再度浮き彫りにしています。
名刺アプリ「Eight」の役割
このアワードを支援した名刺アプリ「Eight」は、2012年の提供開始以来、400万人以上のユーザーに利用されており、ビジネスシーンでのデジタル名刺交換の便利さを提供しています。「Eight」は連絡先情報を容易に更新できるため、企業内起業家が新たなビジネスを展開する際にも非常に有用なツールと言えるでしょう。
企業の革新に向けて
今回の「日本新規事業大賞」は、ウィズコロナの時代において企業が新たなビジネスモデルを模索し、進化を遂げるための貴重な機会となりました。新規事業を展開する企業にとって、これからの未来が楽しみです。やがて、これらの取り組みが新たな経済を形成し、多くの人々に利便性をもたらすことになることでしょう。
この賞は、企業の枠を超え、革新が生まれる現場での挑戦が必要だということを新たに期待させるイベントだったと言えます。