トヨタシステムズと富士通が取り組む新たな技術
概要
トヨタシステムズと富士通が、トヨタ自動車と共に車載コンピュータ(ECU)の設計・開発プロセスを革新すべく、量子インスパイアード技術とAIを駆使した取り組みを進めています。このプロジェクトでは、コネクタピン配置の自動化を業界で初めて実現しました。
背景
自動車業界は持続可能な製品開発が求められている一方で、設計に必要な人材が不足しているという厳しい現実があります。ECUの設計プロセスにおいては、100ピンを持つコネクタの配置設計が膨大な組み合わせを持つため、従来の手法では時間がかかり、属人化が進むという課題が存在していました。これらの問題に対処するため、トヨタシステムズと富士通は、トヨタ自動車の設計基準とそのノウハウ、トヨタグループ向けCA解析の専門知識、さらに富士通の高度なコンピュータ技術を組み合わせました。
自動化の仕組み
具体的には、過去に熟練技術者が積み上げてきたコネクタピン配置のパターンやその評価をAIモデルに学習させました。そのAIモデルを数式化し、「デジタルアニーラ」によって高速で計算処理を行う仕組みを構築しました。これにより、配置の最適解を自動的に算出することが可能になり、従来の手法に比べて20倍以上の速度向上を達成しました。
実用化と今後の展望
この取り組みは2025年5月からトヨタ自動車の量産ECUに実装され、従来の手法と並行して使用される予定です。今後、両社はこの自動化技術の適用範囲を拡大し、開発スピードの向上、品質の向上、コスト削減を目指します。トヨタシステムズでは、サプライヤー企業への展開を図り、トヨタグループ全体の製造プロセスにおけるデジタル化技術の活用を進めていく考えです。
企業の使命
富士通は、この技術を通じてトヨタグループの持続可能な開発を支援し、より安心・安全で快適なモビリティ社会を実現するために積極的に貢献していく方針です。
結論
トヨタシステムズと富士通の協力により、車載コンピュータ設計は新たな時代を迎えています。量子インスパイアード技術とAIの融合は、未来の自動車産業に革新をもたらす大きな一歩と言えるでしょう。今後の展開が非常に楽しみです。