DHL Expressがアジア太平洋地域の物流を革新
DHL Expressは、シンガポールから発表した最新情報によると、2024年に向けてアジア太平洋地域の航空ネットワークと地上施設の強化に取り組んでいます。この施策により、同地域における国際貨物の発着量が前年比で6%増加したことが確認されています。この結果は、アジア太平洋地域が今後も世界貿易において中心的な役割を果たし続けることを示しています。
DHL Expressアジア太平洋地区のCEO、ケン・リー氏は、「アジア太平洋地域は、グローバルな供給網の多様化とeコマースの成長により著しい発展を遂げています。それに対応するための戦略的な強化を進めており、需要の変動にも柔軟に対応できる体制を整えています」と述べています。
東南アジア市場への適応
特に成長著しいのが東南アジアです。この地域は優れた労働力や多くの貿易協定、革新に対する意欲があり、国際貿易業者にとって魅力的な市場となっています。DHL Expressは、昨年シンガポールのチャンギ空港近くにある「南アジアハブ」を拡張し、20%以上の貨物量の増加に対応しました。このハブは欧米やアジアへの出荷を支える重要な拠点です。
この新しい施設では、スキャン能力が30%向上し、仕分け能力も40%増加しました。DHL所有のボーイング777貨物機5機を新たに配備し、貨物の積載能力も1,200トン以上追加されました。この取り組みは、環境への配慮も含まれ、二酸化炭素の排出量を18%削減する可能性があります。さらに2024年10月には、マレーシアに新たなゲートウェイを開設し、特に電気・電子機器製造の調達を支援します。
オセアニア地域との連携強化
オセアニア地域の国際貿易もDHLに支えられています。DHLの拠点がシドニーと香港間の専用便を運航し、輸送の効率が向上。新たにアデレードにゲートウェイを開設し、ピーク時の処理能力は4倍に増加し、地域の企業が国際市場にアクセスしやすくなる見込みです。また、ニュージーランドではクライストチャーチに初の100%カーボンニュートラルのゲートウェイを設置し、国内での効率的な取引を実現します。
貿易の拡大とネットワークの柔軟性
DHLは北アジア、東アジア、南アジアにおいてもネットワークの強化を進めています。香港の新設サービスセンターは1日あたり5万個を処理でき、環境性能の高い施設です。2024年にはDHL Expressと日本航空のパートナーシップを強化し、アジアの重要な貿易ルートのサポートをさらに強化します。これにより、インドとの貿易活動も活発化し、同国に自動仕分けハブを新設する計画も進行中です。
このように、DHL Expressは地域における物流ネットワークを強化することで、国際的な貿易機会を広げ、企業や消費者が迅速かつ効率的にサービスを利用できるよう努めています。これにより、DHLは世界経済の中でますます重要な役割を果たすこととなるでしょう。