Z世代の起業意欲 : SNSの影響と変わりゆく風潮
昨今、特にZ世代の若者の間で起業への関心が高まっています。今年も、シード投資家「THE SEED」による調査で、東京と関西(大阪・京都)の大学生300人のうち、43%が起業に興味があると回答しました。この数値は、去年と同様のものです。
起業の動機と背景
調査によると、学生が起業を考える理由の第一位は「使えるお金を増やしたい」というもので、34.1%がこれを選びました。続いて「ビジネスに関心がある」(33.3%)や「自分のスキルやアイデアを活かしたい」(29.5%)という意見も多く見受けられ、金銭的な動機が根強いことがわかります。しかし昨年よりも社会貢献の声も増えており、より多面的な理由があることがこぼれ落ちています。
SNSの影響力
興味深いのは、起業に関する情報収集がSNSから行われている点です。特にYouTube(38.8%)、X(旧Twitter)(23.3%)、TikTok(20.9%)と続き、SNSは単なる情報源にとどまらず、意欲を高めるプラットフォームとして機能しています。19歳の大阪の女性が述べたように、「起業家の生の声を聞けることで、自分にもできるかもと感じる」と、多くの学生がSNSのコンテンツに触発されています。
起業に対する恐れと期待
しかし、起業に対する学生の恐れも根強いです。「失敗した際のリスクが大きい」という意見が48.7%を占めており、特に資金調達や失敗の恐れが起業する際のハードルとして大きなものであることがわかります。資金が必要という意識は依然として強いですが、一方で、AI(人工知能)やML(機械学習)の登場が新たな機会を提供しているとして期待感を持つ声も多くなっています。
期待される支援
学生たちが求めている支援としては、資金調達が46.7%で最も高く、法律や税務に関する相談支援(39.0%)、先輩経営者との接点の提供(30.3%)が続きます。起業を目指す学生たちは、単に資金を必要としているだけではなく、実務的な知識や経験を求めていることが示されました。
未来への展望
THE SEED代表の廣澤太紀氏は、「SNSを利用したオンラインと、オフラインイベントでのリアルな経験が両方とも重要」と語り、オンラインとオフラインの情報収集を交互に行うことで起業意識が高まるという見解を示しています。現代の学生には様々な情報源が存在するので、それを上手に活用していくことが求められています。
今後の起業家育成においても、情報提供や授業の強化が必要であり、若い才能たちが容易に起業の第一歩を踏み出せるような環境作りが重要です。Z世代の起業意欲は依然として高く、彼らがどのようにそれを実現していくかが注目されます。
まとめ
Z世代の学生たちは、SNSの影響を強く受けながら、起業への意欲を高めています。お金や利便性だけではなく、社会貢献など多様な理由が生まれ、その可視化に期待が寄せられています。彼らの未来がどのように展開するのか、期待が高まります。