AIを駆使した医業経営分析ツール「AI-Board」の登場
2025年5月12日、GMOリザーブプラス株式会社が医療機関向けに新たなサービス「AI-Board」を提供開始する。これは、医療特化型予約管理システム「メディカル革命 by GMO」のオプションサービスであり、AI技術を用いて医業経営の分析と改善提案を行うツールだ。医療機関における各種経営指標を自動で分析し、戦略的な経営判断をサポートする。
AI-Boardがもたらす利点
「AI-Board」は医療機関における予約データや来院データ、会計データなどを集約。これにより、分散していた情報が一元化され、経営者は効率的に情報を活用できる。特に、患者との接点におけるボトルネックを可視化することで、直面する課題を迅速に把握し、具体的な改善施策を打つことが可能となる。データは医療情報保護に関する「3省2ガイドライン」に準拠して収集・分析されるため、医療機関は情報の安全性を確保しつつ業務を最適化できる。
医療環境の変化と対応策
患者の行動様式は、デジタル化の進展に伴い大きく変化している。厚生労働省の調査によれば、2011年には51.8%の患者が受診前に情報を入手していたが、2020年にはその割合が80.2%に増加した。医療機関選びにおいては、立地や技術力に加え、SNSやWEB予約の可否、待ち時間など多様な情報が求められるようになった。しかし、実際の医療機関ではデータがシステム間で分散し、人員も限られているため、経営判断に必要なデータを適切に活用しきれていないという問題が生じていた。
GMOリザーブプラスの挑戦
GMOリザーブプラスは、2018年からGMOインターネットグループに参加し、医療機関の経営革命を目指して活動してきた。AI-Boardの導入により、各医療機関が抱える経営課題に対し、高度な技術を駆使した解決策を提供できる。GMO-RPはこれまでにもSaaS型予約管理システムの提供を通じて、医療現場のDXを推進してきた実績がある。
AI-Boardの機能と活用法
「AI-Board」は、Google Analytics™から取得した医療機関のWEBアクセスデータ、予約や来院データ、会計データを統合。これをもとにAIが各種経営指標を分析し、重要な数値をダッシュボード形式で表示する。医療機関はこの情報を活用して、実効性の高い施策を検討しやすくなる。また、AI相談機能を通じて経営に関する疑問や課題についての具体的な改善提案も受けることができる。
今後の展望
GMOリザーブプラスは引き続き、医院やクリニック、動物病院など医療経営の改革を推進していく意向を示している。今後の技術革新に期待しつつ、AIを駆使したシステムがもたらす新たな医療経営の形を多くの医療機関が享受できることを願っている。全ての医療機関が、情報の安全性を維持しながら、患者との接点における最適化を実現し、持続可能な経営へと導くことが期待されている。