NTT都市開発、大阪府八尾市に初の物流施設竣工
NTT都市開発株式会社は、2025年8月20日に大阪府八尾市に本社初となる物流施設を完成させた。ただし、完成後は東京センチュリー株式会社が出資した特別目的会社(SPC)へ引き渡され、入居は株式会社NTTロジスコが行うことが決まっている。
立地の魅力と物流機能
この新施設は、西名阪自動車道「藤井寺IC」から約3.3キロメートルと、都市部および広域への配送に非常に優れた立地が特徴だ。また、JR大和路線の「志紀」駅から徒歩8分というアクセスの良さがあり、通勤者にとっても通いやすい環境が整っている。こういった立地条件は、人材の確保においても有利に働く。
施設は地上4階建てで、延べ床面積は24,230.40㎡。2つの区画に分割することも可能で、シングルテナントとマルチテナントのどちらにも対応できる柔軟性を持っている。さらに、有効天井高は5.5メートル、耐荷重は1.5トン/㎡、柱スパンは11メートル以上が確保されており、効率的な倉庫レイアウトが実現可能だ。労働環境への配慮も行われており、倉庫内の一部には空調が設けられている。また、BCP対策として、非常用発電機が最大48時間稼働できるように配置されており、有事の際にも安心して業務を継続できるよう考慮されている。
再生可能エネルギーの使用
新しい物流施設では、NTTアノードエナジー株式会社と締結したオンサイト型PPA(電力購入契約)を通じて再生可能エネルギーの導入も行われている。ここでは発電能力が498.6kWの太陽光発電設備が屋上に設置され、年々約630MWhの再エネ由来の電力を生産する見込みだ。この取り組みにより、年間267トンの二酸化炭素排出量削減が期待されている。使用される電力は、入居するNTTロジスコの電力も含めて100%実質再生可能エネルギーとなり、持続可能な経営に大きく寄与することになる。
環境認証の取得
施設はまた、環境負荷低減に向けた取り組みが評価され、BELSの5つ星、CASBEE大阪みらいのAランク(総合評価4つ星)の環境認証を取得している。これにより、全館のLED照明などの高効率機器を導入した結果、エネルギー消費量を48%削減することができた。
こうした環境への配慮は、NTTアーバンソリューションズグループが掲げる「Green Future with US」をもとにした継続的な取り組みの一環である。
事業概要
所在地は八尾市二俣3丁目で、敷地面積は11,850.92㎡。設計および施工は株式会社ナカノフドー建設が担当した。
今回の完成により、NTT都市開発は環境に配慮した最高水準の物流施設を大阪府に提供し、地域経済の活性化にも貢献することでしょう。