次世代太陽電池実証
2025-05-15 11:32:47

日揮とPXPが次世代フィルム型太陽電池の実証実験を開始

日揮とPXPによるフィルム型カルコパイライト太陽電池の実証実験



日揮ホールディングスと、そのEPC事業会社である日揮株式会社、さらにスタートアップ企業PXPは、横浜市内の施設屋根において新たな発電技術の実証実験を開始しました。注目されるのは、フィルム型カルコパイライト太陽電池を使用した大面積発電モジュールの開発です。この実証実験は、薄膜太陽電池の施工性や耐久性を検証することを目的としています。

カーボンニュートラル時代に向けた取り組み



現在、カーボンニュートラルを実現するため、再生可能エネルギーの導入が求められています。そのなかで、軽量かつ柔軟性を持つ薄膜太陽電池の存在意義が高まっています。薄膜太陽電池には、ペロブスカイト型とカルコパイライト型があり、特にカルコパイライトは次世代太陽電池としての期待が寄せられています。

PXPは国産のフィルム型次世代太陽電池を研究・開発し、量産化を視野に入れる企業です。彼らはペロブスカイトとカルコパイライトのタンデム型、つまり二重構造の太陽電池モジュールの開発にも取り組んでいます。これにより、両方の太陽電池が持つ特性を活かした高効率で軽量な製品が期待されています。

新しい施工方法の導入



今回の実証では、日揮が独自に開発した「シート工法」が採用されています。この施工方法では、薄膜太陽電池を載せた遮熱シートを使用し、スリットのある金具で屋根に固定します。これにより、軽量で曲がりやすい特性を維持しつつ、容易に取り付けや移動が可能となります。

実証は今年の4月から始まり、1年間の予定で行われています。キロワット規模の発電を目指し、横浜市内の施設で行われる本実証では、大面積の太陽電池モジュールが使用されます。このモジュールは、あらかじめ電気的に接続した複数の薄膜太陽電池を基材シート上に並べ、10平方メートルという大きな面積をカバーします。国内で初めての試みとなるこの手法は、薄膜太陽電池の大面積化を目指す重要なステップです。

大面積モジュールの利点



屋根上に設置された大面積モジュールは、軽量であるため施工が容易で、設置作業の効率化も図られています。面積あたり約2kgという軽さと、配線の削減により、一人の作業員が1日に約100平方メートルの施工を行えることが確認されています。

この実証実験では、シート工法の適用可能性を評価し、PXPが開発した薄膜太陽電池が持つ振動や衝撃に対する耐性も検証されます。得られたデータは、さらなる技術開発にフィードバックされ、次世代太陽電池の早期社会実装を目指します。

日揮とPXPの目標



日揮は、「どこでも発電所」というビジョンを掲げており、どんな屋根にも太陽光エネルギーを取り入れることを目指しています。PXPもまた、クリーンなエネルギーを誰でも自由に利用できる社会を目指しており、地元企業同士の連携を活かしながら薄膜太陽電池の普及を進めています。

この実証実験は、未来のエネルギー供給のための重要なステップであり、次世代の太陽電池技術がどのように進化していくのか、私たちの目を引きつける取り組みとなるでしょう。


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会社情報

会社名
日揮ホールディングス株式会社
住所
神奈川県横浜市西区みなとみらい2-3-1 クイーンズタワーA
電話番号
045-682-1111

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