外国人入居の促進へ向けた大家さんの意識の変化とは?
賃貸経営情報誌『オーナーズ・スタイル』が発行した『大家さん白書2025』の調査結果によると、外国人入居に対する大家さんの意識に大きな変化が見られています。この調査は、69.5%の大家さんが心理的な抵抗感を持つ中で、3割以上がサポート体制の整備により前向きな姿勢に変わったことを示しています。
調査結果の概要
本調査では、773名の賃貸経営者を対象に、外国人の入居経験やそれに対する意識を調査しました。その結果、43.3%の大家さんが外国人の入居を経験していることが分かりました。特に中国、ベトナム、韓国などアジア圏からの入居が多いことも示されています。
一方で、外国人入居に「抵抗感がある」と答えた大家さんは65%に達し、生活習慣や言語コミュニケーションの問題が主な不安要素とされています。このような不安を抱えつつも、空室対策として外国人入居を考え始める大家さんが増えていることは明るい兆しと言えるでしょう。
不安と実際のトラブルのギャップ
多くの大家さんが懸念する「生活習慣の違いや言葉の壁」の影響も調査されましたが、実際に外国人入居を経験した大家さんから聞かれた具体的な困りごとは思ったよりも少ない結果でした。たとえば、「ゴミ出しルールを守らない」というトラブルは10.1%にすぎず、心理的な不安は実際の経験とは乖離していることが示されています。これは、大家さんが先入観に基づいて不安を持っている可能性を示唆しています。
サポート体制の必要性
調査では、外国人の受け入れに対する抵抗感を持つ大家さんに対して、外国人向けの生活支援コールセンターや家賃保証の導入があれば受け入れを検討するかどうかを尋ねました。その結果、34.9%が「はい」と回答。これは、サポート体制が整えば、多くの大家さんが外国人入居を受け入れる意向があることを示しています。
編集長のメッセージ
『オーナーズ・スタイル』の統括編集長、上田英貴氏は、外国人労働者や留学生が日本に対して前向きな期待を持って来日していることを指摘し、安心して住める環境を提供することが大家の社会的責任であり、また自己の人生を豊かにする機会であると述べています。
実際、外国人入居は築古の物件や狭い部屋でも受け入れが可能で、さらには家具・家電付きプランを利用することで家賃アップも期待できるともいわれています。
最後に
『大家さん白書2025』は、関東・関西・東海エリアを中心とした賃貸住宅オーナーを対象にしたアンケート結果をまとめた貴重な資料です。賃貸経営における様々な課題や関心を映し出しており、今後の賃貸経営の参考にもなるはずです。興味のある方はぜひ手に取ってみてください。