キリンと東京大学、スリランカ紅茶農園での共同研究を開始し環境評価を目指す
キリンホールディングスと東京大学がスリランカで共同研究
キリンホールディングス株式会社と東京大学大学院新領域創成科学研究科は、スリランカの紅茶農園で働く従業員のウェルビーイングと環境的インパクト評価に向けた共同研究を2025年6月から実施することを発表しました。この取り組みは、持続可能な原料生産を確立し、環境に対するポジティブな影響を評価することを目指しています。
研究の目的と背景
この共同研究の中心的なテーマは、スリランカの紅茶農園での労働環境と社会的インパクトの評価です。研究は、農園で働く人々のウェルビーイング、すなわち彼らの生活の質や幸福度に関連する要因を特定し、それらの向上に寄与する取り組みを模索するものです。また、農業の持続可能性と生態系の保護についても議論します。
最近の商品開発においては、企業が原料生産地における環境や労働条件に関与する重要性が高まっています。その中で、気候変動や自然資本、社会的不平等に関する情報開示が企業に求められており、キリンはこれに対応する形で、今回の研究を進めることになりました。これにより、スリランカをはじめとした現地の労働環境や自然環境が保護されることが期待されています。
研究の進行
キリンホールディングスは2024年に、スリランカのある大規模な農園で実施した事前調査をもとに、調査対象を拡大し、2025年には3つの大農園での調査を予定しています。効果的な施策を確認するため、調査結果を比較する予定で、さらなるデータの収集が行われる見込みです。
また、キリンは2025年の調査結果を元に、事業活動への反映を目指します。ここで得られた知見は、同社のCSV活動(Creating Shared Value)にも役立つのです。東京大学の森川講師のチームは、ウェルビーイングの調査設計や実施も担当し、得られたデータを分析して発信します。
ネイチャー・ポジティブへのコミットメント
キリンは、2025年5月にはNature Positive Initiativeが推進する「自然の状態」指標の開発に参加しており、スリランカの紅茶農園での環境保護活動に力を入れています。これにより、ネイチャー・ポジティブを目指し、環境への影響を測定し分析する計画も進めています。
現地へのこれまでの取り組み
キリングループは、2007年からスリランカで活動を展開し、医療と教育支援を提供し、農園での従業員とその家族のウェルビーイングを向上させるプロジェクトを実施してきました。具体的には、図書の寄贈や環境再生型農業への移行を助けるための「リジェネラティブ・ティー・スコアカード」の運用を開始しました。これにより、土地の健康や生物多様性の保全を支援しています。
まとめ
今回のキリンホールディングスと東京大学との共同研究は、スリランカの紅茶農園でのウェルビーイング向上と環境保護に向けた重要な一歩です。企業と学術機関が協力することで、持続可能な未来への道が開かれることが期待されています。今後の結果に注目が集まります。
会社情報
- 会社名
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キリンホールディングス株式会社
- 住所
- 東京都中野区中野4-10-2中野セントラルパークサウス
- 電話番号
-
03-6837-7000