Helical Fusionの挑戦
2025-07-11 11:43:56

Helical Fusionが目指す商用核融合炉の実現。2030年代に向けた挑戦と資金調達の報告

Helical Fusionが目指す商用核融合炉の実現への道



日本において、核融合エネルギーの実用化に向けた新たなステージが開かれています。株式会社Helical Fusionは、2030年代に「実用発電」を達成することを目指し、世界初の商用利用可能な核融合炉を開発する「Helix Program」を発表しました。

Helix Programの概要



Helical Fusionは、創業以来掲げてきた「通年稼働」の核融合炉を実現するための基幹計画を更新し、これを「Helix Program」と名付けました。このプログラムでは、定常運転、正味発電、保守性の三要件を全て満たす核融合炉を実現するための具体的な設計が行われます。

新たに東北から九州まで、ものづくりからエネルギー活用に至るまで多様なパートナー企業を迎え入れ、約23億円の資金調達を完了しました。これにより、これまでの累計調達額は約52億円に達しています。

ヘリカル方式の優位性



Helical Fusionが開発する「ヘリカル型核融合炉」は、日本の核融合研究における70年の知見を活かした技術です。この方式は、プラズマの閉じ込め効率が高く、安定運転を実現する二重らせん構造を持っています。また、核融合炉を商用発電所化するためには、定常運転や正味発電などの三要件をすべて満たす必要があり、今ある技術でこれを実現できるのはヘリカル方式のみです。

フュージョンエネルギーの意義



世界人口が2050年までに約17億人増加することが予測されており、電力需要の急増が懸念されています。核融合エネルギーは太陽と同じ原理を使っており、クリーンで効率的です。これにより、持続可能なエネルギー供給が期待されており、世界のエネルギー市場は2050年には年間5500億ドル規模に成長すると見込まれています。

特に日本は、トカマク型やヘリカル型、レーザー型などの多様な研究成果に恵まれています。これを活かし、フュージョンエネルギー産業の創出が求められています。また、政府は民間の研究開発や事業活動を支援する国家戦略を示しており、日本がこの分野でリーダーシップを取り、国際競争に打勝つことへの期待が高まっています。

Helix Programに向けた資金調達



今回の資金調達は、Helix Programの開発を加速させるためのものであり、チームのさらなる拡充にも活かされます。このプロジェクトの成功は、日本の産業構造を大きく変える可能性を秘めています。

出資者には、SBIインベストメントや慶應イノベーション・イニシアティブなど、様々な企業が名を連ねており、日本からフュージョンエネルギー産業を支える強力な体制が整いつつあります。また、出資者の声も上がっており、Helical Fusionの挑戦に賛同する意見が多く寄せられています。

未来への展望



Helical Fusionは2030年代に向けて、定常運転及び正味発電が可能な「Helix KANATA」の稼働を目指しています。これには、独自の高温超伝導マグネットや液体金属ブランケットなどのコア技術が含まれます。

代表の田口昂哉氏は「日本にもう一つの太陽を作る」とのビジョンを掲げ、Helical Fusionの技術は地球規模のエネルギー問題の解決に向けた重要な役割を果たすと確信しています。核融合の実用化が進めば、人類はついにエネルギー自立の道を歩むことができるでしょう。

Helical Fusionは、技術の研鑽を続ける中で、日本から新たなエネルギー産業を確立し、持続可能な未来をリードする意欲を持っています。今後の展開に目が離せません。


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会社情報

会社名
株式会社Helical Fusion
住所
東京都中央区銀座1-12-4 N&E BLD. 6F
電話番号

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