日本のスタートアップが挑むAI医療の未来
2025年1月より、ジェトロが米国のMayo Clinic Platformと共同で、デジタルヘルススタートアップのための医療データ活用プログラム「HealthTech Gateway “AI Medical in the US”」の第2フェーズを開始します。このプログラムでは、厳選された5社が米国市場進出を目指して医療データにアクセスし、AIモデルの開発や検証を行います。
フェーズ2の特徴
1. 医療データプラットフォームへのアクセス
第2フェーズのプログラムでは、Mayo Clinicが提供する医療データプラットフォームにアクセスできることが最大の特徴です。これにより、参加するスタートアップは米国だけでなく、グローバル市場でのデータ活用が可能になります。また、約30週間にわたってプロダクトの開発や検証、さらに専門家による1対1のメンタリングが提供されます。
2. 実践的な支援とネットワーキング
参加企業は、2025年4月に米国ミネソタ州を訪れ、DemoDayイベントに参加します。ここでは、5分間のピッチを行い、ミネソタのエコシステム関係者や投資家とのネットワーキングを行う機会が設けられています。これにより、参加企業の米国市場への円滑な参入を後押しするのです。
参加スタートアップのラインナップ
医療データ活用プログラムに選ばれたのは以下の5社です。
- - Smart Opinion:乳がんに特化したAI診断支援ソフトの開発とオンライン診療プラットフォームの展開を行っています。
- - Splink:医療データ基盤事業に取り組み、認知機能低下の予防に向けた簡易テスト「CQ test®」やAIプログラムを提供しています。
- - Ubie:AI問診エンジンを利用した症状解答型のサービスを展開し、医療機関向け支援パッケージも提供しています。
- - YStory:AIとメディカルサイエンスを活用し、更年期のヘルスケアアプリ「JoyHer」を通じたサービスを展開。
- - Yuimedi:医療データの利活用を目的としたソフトウェアやサービスを提供し、データの抽出効率化を支援するAIアシスタント「YuiQuery」を開発。
スタートアップ支援への期待
ジェトロは、これまでにも様々なスタートアップ支援プログラムを実施してきましたが、今回は特に医療機関との連携により、より実践的な支援が行える点で大きな意義があります。第1フェーズでは、16社のスタートアップが参加し、米国ヘルスケア市場での知識や戦略の習得を行いました。こうした取り組みを通じて、日本のデジタルヘルス分野から米国市場における新たなビジネスチャンスを創出していくことが期待されます。
ジェトロの役割
ジェトロの役割は、日本の経済成長を促進するとともに、イノベーションを生み出すための基盤を構築することです。70以上の海外事務所や国内拠点をフルに活用し、スタートアップの海外展開を支援し続けます。今後も、デジタルヘルス、AI領域でのスタートアップが、米国やグローバル市場での成功を収めるよう、継続的なサポートが期待されます。
お問い合わせについて
本プログラムに関する詳細やお問合せは、ジェトロのイノベーション部スタートアップ課にご連絡ください。担当者までお気軽にお問合せください。