かこさとしの絵日記
2018-03-05 15:11:44

かこさとしが80年前の絵日記を本にした背景と魅力とは

かこさとしの絵日記が本になった奇跡



絵本作家として知られるかこさとしさんが、91歳の今、80年前の小学校時代に描いた絵日記を本として出版しました。この絵日記は彼の創作の源流とも言える貴重なもので、彼の豊かな感受性や表現力の礎が見て取れます。

絵日記との出会い



2015年、かこさんが部屋を整理している最中、何十年も前の絵日記が偶然見つかりました。その日記の存在は家族さえ知らなかったものであり、驚きと共に復活の時を迎えました。彼は福井県武生市で生まれ、小学校6年時にはすでに東京での新たな生活が始まっていました。

小学校卒業を控えた1938年、担任の先生は生徒に小学校生活の思い出を書き留めるように指示しました。多くの生徒が数枚の原稿用紙でまとめる中、かこさんは一生懸命に描き続けました。先生の「何枚でも思い通りに書いていい」という言葉が、彼の創作への道を開いたのです。

本にするための編集作業



その後、かこさんのアトリエに訪れた担当編集者がこの手作りの絵日記に出会い、本にすることを決意しました。原稿用紙は何十枚にもわたり、手作りで製本されたものです。表紙には自らタイトルを手書きし、「もくじ」まで作成しており、彼の情熱が溢れています。

しかし、時の経過でボロボロになった紙が多く、アトリエから持ち出すことができなかったため、撮影しながら編集作業を進めざるを得ませんでした。そして、活字に加工された文字部分とは別に、全見開きの写真も収録されています。

成長の証しとしての絵日記



ページをめくると、かこさんの今の作品に通じる要素がしっかりと確立されていることに気づかされます。夏休みの宿題で特等賞を獲得した際の記憶や、思い出深い雪合戦の様子も描かれており、彼の作品にしばしば見られるキャラクターのルーツが垣間見れます。また、戦時中の社会情勢が映し出される絵もあり、当時の背景を知る手がかりともなっています。

さらに、中学受験に合格したエピソードも記されており、その目標に向かう姿勢が垣間見えます。「化学博士を目指す」という明確なビジョンがあったことも後の絵本作家としての彼に大いに影響を与えたことでしょう。

絵日記に込められた思い



この日記には、かこさんの好奇心、学びたいという意欲、そして表現したいという力が詰まっています。80年前、まだ小学生だった「中島哲君」はすでに未来の「かこさとし」としての片鱗を見せていたのです。

書籍化にあたり、かこさんが改めてこの絵日記を読み返し、当時の思い出を語ったインタビューやエッセイも収められています。彼は、父親が当時彼の業績を知らず、反対していたことを振り返りながら、家族の支えや愛情があったからこそ、絵本作家としての道を歩むことができたと語ります。

この絵日記はただの思い出の記録ではなく、彼の人生や創作の背景を知るための貴重な資料です。年代を超えて、多くの人にその魅力が伝わることでしょう。

会社情報

会社名
株式会社 偕成社
住所
東京都新宿区市谷砂土原町3-5
電話番号
03-3260-3221

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